「サクラ印ハチミツ」が“発がん性疑惑農薬”混入を隠蔽 発覚の背景に「先妻の息子」と「後妻の息子」の遺恨裁判
実際に売られている商品を調査すると衝撃の結果が
そこで本誌は東京都内の大手スーパー数店舗で購入した「加藤美蜂園本舗」製のハチミツを独自に調査した。すると、アルゼンチン産などの商品5本のうち、3本が基準値超えとの結果に(掲載の表参照)。加藤美蜂園本舗が製造し、「Vマーク」という別ブランドで売られていた商品は、基準値の5倍との分析結果となった。
検査を行った「農民連食品分析センター」の八田純人所長が言う。
「“痕跡”というのは定量下限以下での検出を示すものなので、検出の有無だけで言えば、全てのサンプルからグリホサートが出ています。そのうち3点が食品衛生法上の基準値を超過していた。基準値超えのハチミツを摂取してすぐに身体に害が出るわけではありませんが、基準値を超えているものを摂取したくない人も当然います。実態が消費者にきちんと伝わっていないのは問題だと思います」
なぜ除草剤の成分であるグリホサートがハチミツから検出されるのか。
「昨年7月、ニュージーランドの国有テレビ局が同国産のマヌカハニーからグリホサートが検出された、と報じました。同国の第1次産業省が全国から集めたハチミツ300サンプルの残留農薬を検査したところ、全体の約22%からグリホサートが検出された。そのうち五つのサンプルでは、同国国内向けの残留基準(0・1mg/Kg=0・1ppm)を超えていたといいます。マヌカハニーは基準値未満でした」(ハチミツ業界関係者)
ニュージーランド政府が作成した報告書では、
「検出されたマヌカハニーの多くが、他の草花の蜜を含むブレンド品だったことと併せて、グリホサートを使用している農場や牧場の近くに蜂の巣箱を置いたことが原因ではないか、と指摘されています」(同)
ニュージーランドの報道の影響で日本の業者は、それまで眼中になかったグリホサートに注意を向けざるを得なくなったという。
「あの報道もきっかけとなり、日本の厚労省が動いたからです。具体的には昨年10月から、畜産加工食品に分類されるハチミツのグリホサートのモニタリング検査が実施されるようになったのです」(同)
そんな中、昨年12月に「日本蜂蜜」という会社がアルゼンチン産のハチミツ商品の一部販売休止を通知。
「アルゼンチンではグリホサートを主成分とする除草剤『ラウンドアップ』が農場などで大量に使われていますが、グリホサートの残留基準はなく、日本の厳しい基準を満たすハチミツを確保することが難しい。そこで販売休止という判断をしたのでしょう。誠実な対応といえます」(同)
日本蜂蜜の担当者は、
「休止のお知らせを出した時にすでに輸入していたものについては全て廃棄ということになりました。損害額は分かりません」
一方、加藤美蜂園本舗は問題を“放置”した、というわけである。こうした企業体質はどのようにして形成されてきたのか。
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