「サクラ印ハチミツ」が“発がん性疑惑農薬”混入を隠蔽 発覚の背景に「先妻の息子」と「後妻の息子」の遺恨裁判
基準値の数倍のグリホサートが
では、会議の音声データにある〈グリホサート混入しながらまだやっている〉〈食品衛生法からいったらアウト〉との発言は何を意味しているのか。それを読み解くためには同社で続く、創業者一族間の経営支配権を巡る争い、いわゆる「お家騒動」に触れなければならない。争っているのは元経営者側と現経営者側。目下、このお家騒動は元経営者側が現経営者側を訴える法廷闘争にまで発展しており、そこで飛び出したのがグリホサートに関する「証拠」だったのである。
掲載した〈「お家騒動」訴訟 原告側調査結果〉の表をご覧いただきたい。件(くだん)の訴訟の原告側が複数の「サクラ印ハチミツ」を検査したところ、アルゼンチン産とカナダ・アルバータ産のものから、基準値を超えるグリホサートが検出されたというのだ。
「食品衛生法で定められたグリホサートの残留基準値は0・01ppmです。これは06年に施行された“ポジティブリスト制度”によるもので、それまで基準が定められていなかった物質に対して一律に0・01ppmの基準が適用されることになりました」(食品業界関係者)
表にある通り、原告側の検査では、アルゼンチン産で0・02ppmや0・03ppm、カナダ・アルバータ産で0・03ppmとなっている。確かに、基準値の2倍や3倍という分析結果が出ているのである。先の音声データにある〈グリホサート混入〉〈食品衛生法からいったらアウト〉はこの分析結果のことを指しているのだろう。また、音声データに〈社内の人しか知らないこと〉とある通り、この分析結果について同社は一切公表していない。さらに、〈回収はハッキリ言ってしたくない〉との発言もある。つまり、「グリホサート残留基準値超え」の商品が、今も堂々と売られているということなのだろうか?
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