巨人1位「翁田大勢」はようやく復調…「ドラフト2021」意外な順位で指名された選手たち
2021年のドラフト会議が10月11日に開かれ、支配下で77人、育成で51人が指名された。年間300試合以上のアマチュア野球を取材する筆者は、昨年に引き続き、今年もドラフト会議の生中継(CS放送・スカイA)で解説を担当した。ドラフト当日は、前評判が低い選手が上位指名される一方で、上位指名が有力視されていた選手の名前がなかなか呼ばれないなど、意外な展開が見られた。そこで、今回は「意外な上位指名」と「意外な下位指名」という視点から、今年のドラフトを総括してみたい。
【写真】前評判とは異なり、各球団の思惑で指名順位が大きく変動することがはっきりわかる結果となった今年のドラフト。選ばれた選手たち
想像以上の高評価
まず、予想外の展開を見せたのが、1位指名の最初の入札で3球団が野手を指名したことだ。打線に大きな課題のある中日が、大型外野手のブライト健太(上武大)に入札したことはある程度予想通りだった。しかし、楽天が強打の外野手、吉野創士(昌平)とロッテが強打の捕手、松川虎生(市立和歌山)の1位指名を予想した球界関係者は少なかったようだ。
実際、当日の主要なスポーツ紙を確認すると、楽天とロッテの1位指名を的中させた予想はなかった。楽天はレギュラー野手の高齢化と右打者不足、ロッテは次世代の正捕手候補という、それぞれの補強ポイントがあるとはいえ、吉野と松川は高校球界で飛び抜けた存在ではなく、想像以上の高評価だったというのが正直な印象だ。
吉野はまだまだ細いだけに体作り、松川はディフェンス面のレベルアップが課題となるが、ドラフト1位としての大きな期待が冷めないうちに、二軍で万全の結果を残せるかが、重要になりそうだ。
中日に指名されたブライトもまた、決して完成度が高い選手とはいえない。3年秋まではリーグ戦で1本のヒットも打てず、結果を残したのは今年の春だけだ。芯でとらえた時の飛距離は魅力だが、攻守ともにまだまだプレーの安定感は乏しい。中日は貧打解消の切り札として期待しているかもしれないが、1年目から過剰な期待をかけるのは危険である。
[1/2ページ]