財務次官の異例の「国家破綻・財政再建」寄稿 過去の「国債の暴落を引き金にした財政破綻を明確に否定した公式文書」との整合性は?
コロナ禍で痛み、苦しむ人たちに
財務省の矢野康治事務次官による月刊誌「文藝春秋」(11月号)への寄稿が話題となっている。財政再建の必要性を訴え、新型コロナウイルスの経済対策を「バラマキ」と喝破し、国家財政破綻の可能性に言及する内容だ。財務省といえば霞が関の頂点に君臨する省庁で、その現役トップが自身の考えを表明するのは異例のことだ。しかし、財務省は過去に、国債の暴落を引き金にした財政破綻を明確に否定していた。それとの整合性はどうなのだろうか?
矢野氏は、与野党で10万円の定額給付金や消費税率引き下げなどが議論されている点について、「国庫には、無尽蔵にお金があるかのような話ばかりが聞こえてきます」「(今の日本の財政状況は)タイタニック号が氷山に向かって突進しているようなものです」と主張。...