ある日突然「不倫相手」を喪ったアラフィフ男の涙 死後、彼女の携帯から着信が

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 たとえ不倫であっても「ひとつの恋愛の形」ではある。誰にも知られないよう、大事に大事に育んできたその恋愛が、ある日突然、なくなったとしたら……。自分たちの関係は何だったのか、彼女は本当に自分を愛してくれていたのか。もう返ってくることのない答えを待ち続けている男性がいる。【亀山早苗/フリーライター】

「ふたりとも家庭がある状態で14年つきあっていました。長いのか短いのかわからない。その間には彼女の子どもの受験があったり、うちの子が怪我をしたりで会えない時期もありました。だけどいつかは会えると信じて、お互いを励まし合ってやってきたんです。まさか永遠に会えなくなるとは思ってもいなかった」

 憔悴した表情でそう話すのは、とある地方都市に住んでいる高田将太さん(48歳・仮名=以下同)だ。14年つきあっていた同い年の安藤絵美さんは、2年前、くも膜下出血で還らぬ人となった。そのショックからいまだに立ち直れていない。将太さんはふたりで撮った写真を見せてくれた。将太さんは今より肌の色艶がいい。ふたりとも満面の笑顔だ。特に絵美さんのはじけるような笑顔がまぶしい。

「これは最初で最後の旅行です。帰ってから1週間後、次に会おうと約束していた前日に彼女は亡くなったんです」

 ふたりが知り合ったのは32歳のとき。絵美さんは、将太さんが勤める会社の企業内託児所の保育士だった。以来14年、「家族を欺き、人目をはばかって」一緒に過ごす時間を大事にしてきたのだという。

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