城下町はグルメの宝庫? 現存する「12天守」とともに楽しめる郷土料理一覧

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自然科学的調査を導入

 松江城天守の国宝指定に向けた調査・研究では、「放射性炭素年代測定法(ウィグルマッチング法)」による部材の年代測定など、自然科学的調査も導入された。

 北陸で唯一の現存天守を擁する丸岡城でも、2015~18(平成27~30)年度に国宝化を目指して本格的な学術調査を実施。天守の創建年代を解明する方法として、「放射性炭素年代測定法」や「年輪年代法」が導入されている。

 丸岡城は、1576(天正4)年頃から柴田勝豊が築城。天守の創建年代は、勝豊による築城時とする説、本多成重が城主となった1613(慶長18)年以降とする2説があった。

 調査の結果、成重が城主を務め、丸岡藩が立藩した1624(寛永元)年頃の創建である可能性が濃厚となった。築城時であれば現存最古の天守だったことから落胆の声も上がったが、創建年代の解明には大きな意義がある。前述のように、武家諸法度公布後は幕府が特例で認めた城を除けば天守の新築はほぼないと考えられているからだ。城の定説を再考する上でも、寛永期の天守造営は興味深い。

 実は日本の城は謎だらけで、国宝天守でも全て解明されているわけではない。今年は、同じく創建年がはっきりしない犬山城天守での、年輪年代法による年代測定調査成果が発表された。あくまで材木の伐採年を特定するだけで創建年の裏付けにはならないが、自然科学的調査事例が増えれば、歴史的事実の解明につながるはずだ。

鑑賞ベストシーズン

 いずれの天守も、季節ごとの美しさがあり、天候や時間帯によっても雰囲気が異なる。ぜひ一度といわず、何度でも訪れてほしい。

 ちなみに雨の日に訪れたくなるのは、丸岡城。天守の屋根に青緑色の笏谷石(しゃくだにいし)を加工した瓦が葺かれ、雨に濡れると青みが冴えて天守が物憂げな表情に変化する。

 強いて秋におすすめの城を挙げるなら、松本城と備中松山城だ。

 独特の重厚感を放つ松本城の壁面は、今では全国で唯一の黒漆塗りだ。漆は驚異的な耐久性を誇るが紫外線に弱いため、松本城天守では毎年欠かさず塗り替えられている。漆を乾燥させるために必要な気温や湿度などの条件から、毎年9~10月に施工。11月初旬には、化粧直しを終えた最も艶めく天守が見られる。

 雲海に浮かぶ備中松山城天守も、秋から冬にかけて現われる季節限定の姿だ。とくに10月下旬~12月上旬の早朝には、濃い朝霧が期待でき、幻想的な絶景を求めて全国から写真愛好家も集う。備中松山城は、天守が現存する全国唯一の山城。竹田城や越前大野城など天空の城は他にもあるが、現存天守が雲海に浮かぶのは備中松山城だけだ。

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