城下町はグルメの宝庫? 現存する「12天守」とともに楽しめる郷土料理一覧

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二つの時代が共存

 松本城天守は、戦国時代と江戸時代、異なる時代の建物が共存する珍しい天守群だ。大天守を中心に5棟の国宝建造物で構成され、大天守の北側は乾小天守と渡櫓で繋がり、東側は辰巳附櫓と月見櫓が連結する。

 5棟は接合されているが、乾小天守・渡櫓・大天守は石川数正・康長親子による築城開始直後の1593(文禄2)年頃の建造で、辰巳附櫓と月見櫓は1634(寛永11)年の増築。戦乱の世に築かれた戦闘仕様の前者3棟と、太平の世に築かれた後者2棟は、構造も意匠も大きく異なる。内部の雰囲気も、緊迫感が漂う薄暗い大天守に対し、観月のための娯楽施設である月見櫓は、広々として明るく、優雅な雰囲気が漂う。

最上階の特別空間

 高知城の天守は1749(寛延2)年に再建されたものだが、山内一豊が築城した初期天守の意匠を再現したようで、古式の姿を伝えている。天守1階の壁面には、敵を撃退する「忍返(鉄串)」が残り、軍事色の強さも感じさせる。

 土佐独自の本木投げ工法が用いられた、躍動感ある天守だ。四方の軒隅が勢いよく反り返り、土佐の荒波のような造形美がある。天守台がなく、本丸に天守が直接建つのも特徴だ。

 天守最上階には廻縁(まわりえん)(回廊)と高欄(こうらん)(手すり)がめぐり、360度の絶景を楽しめる。廻縁は天守に必ずついているようなイメージがあるが、実際にはそれほど存在しない。風雨にさらされるため木造建造物には向かず、松山城や彦根城のように高欄だけが装飾として取り付けられた天守も多い。実際に1周歩ける現存天守は、高知城と犬山城だけだ。

 犬山城天守の廻縁は、絶景が望める特別空間。天守は高さ約19メートル、天守台も含めると約24メートルとさほど高くはないが、木曾川南岸の標高80メートルの断崖上に立ち、廻縁からは木曾川を見下ろすパノラマが楽しめる。

 犬山城は美濃(岐阜県)と尾張(愛知県)の国境にあり、木曾川の対岸は美濃だ。眼下に広がる濃尾平野、遠くには岐阜城や名古屋市街まで一望でき、濃尾国境を制した気分になれる。

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