公明党が「18歳以下に10万円相当給付」で炎上 浅はか過ぎる公約のウラを読む
“バラマキ”公明党
「所詮は選挙対策だと見透かされたということでしょう。少なくとも公明党のマニフェストを文字通りに受け止めれば、『年収1億の両親でも、子供には10万円が支払われる』ことになってしまいます。とはいえ、公明党が全国民への一律支給を打ち出していたとしても、同じようにネットでは炎上したのではないでしょうか。今度は緊縮財政の支持者など、別の有権者層が反発する可能性があるからです」(同・伊藤氏)
現金を配る必要性があるにしても、それはコロナ禍などで年収が減少し、生活が苦しい国民を対象にすべきだと伊藤氏は指摘する。
「そもそも10万円を配ることが正しい政策なのかという議論は、とりあえず脇に置きます。その上で、もし公明党が10万円を配ることを公約の1つにするのなら、年齢ではなく年収の制限を課せば、有権者の受け止めは違ったと思います。仮に年収200万円以下とか300万円以下の人を対象にしたのなら、これほど炎上はしなかったのではないでしょうか」
振り返ると、公明党は地域振興券や軽減税率など、いわゆる“バラマキ”と批判される政策を打ち出してきた。
学会婦人部の影響
「『バラマキと言えば公明党』というイメージを持つ有権者も少なくないと思います。率直に言って、今も昔も自民党の支持者には富裕層が含まれ、公明党や共産党の支持者は低所得層という傾向は変わりません。公明党が『食料品の消費税は増税しない』と軽減税率を導入するよう主張したのは、支持層を考えれば理解できないわけでもありません」(同・伊藤氏)
ところが、18歳以下に10万円を配るとなると、富裕層の子供が含まれるのは前に見た通りだ。なぜ、こんな愚策を公明党は掲げたのだろうか。
「党の真意は測りかねますが、支持母体である創価学会を意識した公約なのかもしれません。学会には婦人部があり、強い発言力を有していることで知られています。選挙の時は、文字通り“集票マシーン”として機能することでも有名です。そして婦人部には、子育て世代が一定数います。10万円の公約を学会側が出したのか、公明党が発案したのかは分かりませんが、少なくとも党としては『婦人部は喜んでくれるはずだ』という読みがあったのではないでしょうか」(同・伊藤氏)
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