ドラフト「サプライズ1位指名」がありそうな10人の候補者リスト

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有力候補が少ない二遊間

 過去のドラフトを振り返ると、近本光司(2018年阪神1位)、小深田大翔(2019年楽天1位)のように、即戦力が期待されるスピード自慢の選手が浮上してくる可能性がある。今年でいえば、水野達稀(JR四国)と藤井健平(NTT西日本)がこうしたタイプに当てはまる。

 水野は軽快な守備とパンチ力が魅力のショートで、今年の社会人野球日本選手権でもサヨナラホームランを放つなど、大舞台での強さを発揮した。高校卒3年目で21歳という若さがあり、今年は二遊間に有力候補が少ないという点も、ドラフト1位指名への追い風となるだろう。

 一方、藤井は高いレベルで三拍子揃った外野手だ。特に、強肩とスピードはプロに入っても上位の迫力がある。少し調子の波がある打撃は課題だが、パンチ力は申し分なく、近本とよくタイプの似た選手である。

 今回挙げた10人の中では、松浦、梶原、水野、藤井の前評判が高いものの、他の6人も密かに高く評価している球団は必ずあるはずだ。冒頭でも触れたように、今年は分かりやすい目玉選手は不在だけに、複数の“サプライズ1位指名”が誕生することも十分に考えられる。果たして、ドラフト当日にどんなドラマが生まれるのだろうか。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮取材班編集

2021年10月10日掲載

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