キングオブコント優勝「空気階段」の今後 業界通は「謙虚で期待大。もしかすると10年後は」

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個性は強い2人

「空気階段が優勝を果たした2つのネタも初演ではありません。劇場でウケた20分くらいの長いコントを、キングオブコントのため改変に改変を重ねたそうです」(同・ディレクター)

 玄人の評価を「ホップ」とすれば、キングオブコントの優勝は「ステップ」だろう。お茶の間でブレイクしてこそ「ジャンプ」だ。ディレクター氏は「ポテンシャルは充分にあります」と言う。

「ただ、かまいたちでも、小峠さんでも、キングオブコントを制してから本当にブレイクするまで数年の歳月を必要としました。コントの才能とゴールデンのバラエティ番組に求められるトークの才能は、それほど異なります。空気階段が即、大ブレイクするのは、さすがに難しいでしょう。それでも大化けする可能性は充分にあります」

 先に2人の略歴を見たが、かなり個性が強いことにお気づきだろう。特に鈴木は“クズ芸人”という武器を持っている。

「鈴木さんのギャンブル好き、借金だらけ、無頼派というキャラクターは、視聴者に喜ばれる歴史があります。古くは横山やすしさん(1944~1996)が代表例ですし、今では霜降り明星の粗品さん(28)がいます。一方の水川さんは慶應中退ですから、同じく早稲田を中退したタモリさん(76)を彷彿とさせます。インテリ芸人としての活躍が期待できると思います」(同・ディレクター)

10年後は……?

 何より空気階段には「謙虚さ」があると、ディレクター氏は指摘する。

「2人とも勘違いして天狗になるようなキャラクターではありません。聡明で、自分たちのポジションをわきまえています。舞台のギャラは安く、500円という噂もあるほどですが、彼らは優勝した翌日も舞台に立ったそうです」

 何よりも大きいのは、「ベタな芸風」と揶揄されることを怖れず、普通の視聴者を笑わせようと努力している点だという。

「謙虚な姿勢と普通のお客さんを大切にすることを忘れなければ、必ずブレイクできるはずです。10年後はキングオブコントの審査員席に座っていても不思議はないと思います」(同・ディレクター)

デイリー新潮取材班

2021年10月10日掲載

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