キングオブコント優勝「空気階段」の今後 業界通は「謙虚で期待大。もしかすると10年後は」

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“法令遵守”への挑戦

「1本目は視覚的な効果が抜群でした。鈴木さんがパンツ一丁で顔にストッキングを被せられた格好で登場するのです。笑わないわけにはいきません。『出オチはずるい』という指摘もあるようですが、やった者勝ちでしょう。SMクラブという設定も、審査員には『過剰なコンプライアンス対策への挑戦』と好意的に受けとめられたはずです。2本目は1本目の勢いで視聴者を笑わせましたが、たとえネタの順番が入れ替わっていても優勝したでしょう。それほど見事でした」(同・ディレクター)

 先に審査員が4人も変わったことに触れた。ディレクター氏も「影響は大きかったと思います」と指摘する。

「審査員全員から『とにかく細かい理屈はいい、面白いコンビを選ぼう』という姿勢を感じました。特に小峠さんは『笑わせたコンビに高い点数を付ける』という態度が鮮明でした。また、かまいたちの山内さんが的確な解説を行っていたことも、番組としては良かったと思います。松本さんも他の審査員に安心したのか、リラックスした表情で笑っていたように見えました」

吉本芸人が強い理由

 空気階段は鈴木が大阪芸術大学中退、水川が慶應義塾大学を中退している。正式な学歴としては高卒になるが、いわゆる“高学歴芸人”と見ることも可能だ。

 また最近では“クズ芸人”が注目を集めているが、鈴木はその代表格と言っていい。ギャンブル依存症で借金が550万円、おまけに遅刻魔という悪癖が報じられている。

 キングオブコントの決勝進出が決まり意気込みを訊かれると、「優勝して借金を完済したい」と語るなど、鈴木の借金は鉄板ネタだ。

 一方、端正な顔立ちが印象的な水川も、引きこもりの過去を持つ。岡山県の名門県立高校から慶大の法学部に進学するも、キャンパスになじめず3カ月で中退。それから1年半、引きこもっていたという。

 2人は2011年、NSC東京校に入学。共にコントが好きだったことが接点になった。当時から鈴木は借金だらけだったが、水川の父親も大阪芸大を中退し、かつては借金を重ねていたことから、水川が鈴木を「気が合いそうだ」と思ったというエピソードがある。

「今回のキングオブコントは、何と10組中9組が吉本芸能の芸人でした。やはり吉本は劇場を持っているのが大きいのです。首都圏なら渋谷のヨシモト∞ホールを筆頭に、ルミネ新宿、大宮、沼津、幕張にも劇場があります。所属芸人は芸人としての腕を磨くだけでなく、客の反応を見ながらコントの内容もブラッシュアップできるという利点があります」(同・ディレクター)

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