「一晩に70回は仮死状態」 芋洗坂係長が明かす睡眠時無呼吸症候群の恐怖、いびきが離婚の遠因にも

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 いびきがうるさい!と叱られたことはないだろうか。あるいは昼間の眠気に悩まされたことは……。心当たりがあれば気を付けよ。その裏には深刻な病が隠れていることも少なくないという。潜在患者500万人といわれる「睡眠時無呼吸症候群」。その実態と対策。

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 病の解説に入る前に、まずは、著名人の闘病生活をお伝えしよう。

 芋洗坂係長(53)。でっぷりした体躯と黒縁メガネ、それに似つかわしくないキレのあるダンスと歌でお馴染みの、人気お笑いタレントである。

 しかし、テレビでの明るい姿の裏で、20年以上も、睡眠時無呼吸症候群の症状に悩まされてきた。

「自分の睡眠が明らかに異様だな、と気付いたのは、35歳くらいの時だったと思います」

 と語るのは、当の係長ご本人である。

「ある日、地方で数日がかりの仕事があり、7~8人で旅館の同じ部屋に泊まることになったんです。自分はいびきがうるさいという自覚があったので“迷惑をかけるかもしれないよ”と言っておいた。ところが、夜中にまぶしいな、と思って目を開けたところ、部屋中のみんなが私を囲んで睨んでいるんです。“いびき?”と聞くと、“そうだよ”。一人が“鼻をちょん切るぞ”と言って、部屋から全員が出て行っちゃった。後で聞くと、グゴゴゴゴって怪獣が吠えるような音だったとか。迷惑かけちゃったなと思いまして……」

 振り返ればその10年ほど前から、「眠り」にまつわる違和感はあったという。彼は25歳で最初の結婚をしているが、

「当初は奥さんと子どもと一緒の部屋で寝ていたんですけど、いびきがうるさいから、と言われて僕だけ一人、居間で寝るように。そうなると気持ちもすれ違っていくじゃないですか。徐々に夫婦関係もおかしくなり、5年後に出て行かれてしまったんです。いびきが離婚の原因のひとつと言ってもいいと思う」

 独り身になってからは当時所属していた劇団の座長と暮らしていたが、やはりいびきで怒られたとか。稽古中に突然寝てしまったりすることもあった。それでも、疲れているんだな、と“解釈”し、不安を押しとどめていたという。

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