羽生九段、公式戦で連敗の絶不調 原因は加齢と若手の“AI研究”か

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“ノーベル賞級”?

 不調の理由としては、

「ひとつは年齢的なものでしょう。一般的に棋士の全盛期は20代から30代なので。ただ、羽生九段が衰えているというよりも、周りのレベルが上がっていることも大きい。藤井三冠はじめ、若手はAI(人工知能)を使って広く深く序中盤を研究していますが、そうした競争は年配の棋士には厳しい」(松本氏)

 日本将棋連盟常務理事の森下卓九段(55)も「自分だって今年度は2勝11敗で、かつ連敗中。ひとのことを言える立場じゃないんですよ」と自嘲しつつ、次のように同情を寄せる。

「私は羽生さんより四つ年上なんですけど、やっぱり年齢を重ねると目が疲れるよね。終盤になると霞んでくるし。それに体力も落ちるので、長く座っているのだって辛くなる。根気が続かなくなるんです」

 台頭する“若手AI勢”についてもこう語る。

「彼らは自宅で将棋盤ではなくパソコンに向かい、AIが示す手順を懸命に暗記しています。その数は膨大で、手順を正確に覚える点では若い人たちの方が凄い」

 とはいえ、羽生九段はこのままでは終わらないとして、こう続ける。

「それこそ年齢差が32歳もある藤井さんからタイトルを獲ったらノーベル賞級ですが、それだって成し遂げるかもしれない。そんなふうに思わせる凄みが羽生さんにはあるんです」

 伝説は復活するか。

週刊新潮 2021年10月7日号掲載

ワイド特集「復活の日」より

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