女子初の五輪出場「人見絹枝」を悩ませた固定的なジェンダー観と世間の目(小林信也)

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「ジェンダー平等」が主要テーマに掲げられた東京2020。女性アスリートの盗撮被害などの問題も改めて提起された。

 オリンピックはそもそも女性を拒否していた。近代オリンピックの創立者と呼ばれるクーベルタン男爵は、常に尊敬の対象のように語られるが、女性の参加を強く拒んでいたのはそのクーベルタンだった。

 彼が2代目IOC会長を退いた1928年アムステルダム五輪から女性の参加が正式に認められた。その大会で銀メダルを獲得するなど、女性スポーツの黎明期に世界的貢献を果たしたのが人見絹枝だ。...

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