期待を大きく裏切った巨人「野間口貴彦」…「ドラフトの目玉選手」は結局プロで成功したのか?
鳥谷は6度のベストナイン、5度のゴールデングラブ
その一方、野手では、ドラフトの目玉選手が成功している例が目立つ。03年の阪神自由枠で指名された鳥谷敬(現ロッテ)は、遊撃手として6度のベストナイン、5度のゴールデングラブをそれぞれ受賞し、阪神の看板選手としてチームを支えてきた。17年に2000本安打をクリアするなど、大成功の部類に入るだろう。
07年では、日本ハムの高校生ドラフト1巡目で指名された中田翔(現巨人)が最も入団前の評価が高かった。この年は、丸佳浩(現巨人)が広島に高校生ドラフト3巡目で指名されている。二人の通算成績を見比べると、丸が上回っているとはいえ、中田は「入団前No.1」として十分な活躍をしている。
逆に、「入団後No.1」選手の顔ぶれを見てみると、一番順位が低いのは青木宣親(ヤクルト)の4巡目で、やはり全員がそれなりの高い順位で入団している。千賀滉大(10年ソフトバンク育成4位)のような例は、確かに会心の指名かもしれないが、やはり、ある程度の高い評価でプロ入りする選手が歴史に名を残す可能性は高いことが分かる。
少し話はそれるが、02年と03年の和田、鳥谷、青木というトリオがいた早稲田大は見事という他ない。この期間、リーグ戦では4連覇を達成しており、田中浩康(03年ヤクルト自由枠)、武内晋一(05年ヤクルト希望枠)も上位でプロ入りを果たし、チームの戦力となった。勝ちながら選手を輩出する大学野球の歴史に残るチームだったことは間違いないだろう。
他球団の主力をFAで獲得する巨人
球団別で活躍度をみていくと、気になるのが巨人だ。前述したように野間口、辻内が期待通りに成功せず、大田泰示も才能が開花したのは日本ハムに移籍した後だった。その後、菅野智之(12年ドラフト1位)は期待通りエースに成長したが、毎年のように他球団の主力をFAで獲得していることもあって、目玉選手が入る環境としては厳しいと言わざるを得ない。
冒頭でも触れたが、今年は例年以上に先が見えづらいドラフト戦線となっている。10年後に振り返った時に果たしてどのような結果になっているのか。今回挙げた例のような視点から占ってみるのも、ドラフトの楽しみといえるのではないだろうか。
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