共産党「山添拓議員」が軽犯罪法違反で書類送検 「撮り鉄」から擁護論が上がるワケ
埼玉県警がマーク!?
原則として、国交省が踏切の新設は認めない方針であることも大きな影響を与えている。
勝手踏切を使わなければ、日常生活に支障が出る──沿線住民の主張は理解できないわけではない。行政や鉄道会社が対応に苦慮する理由だ。
山添議員がTwitterに投稿した「地域住民によって道がつけられ、水路に渡し板がかけられていた箇所」も、こうした勝手踏切だったと考えられる。
議論のポイントとなっている2点目は、埼玉県警の動きだ。Twitter上で「あの勝手踏切は、もともと秩父警察署が張り込んでいるので有名な場所だった」とのツイートが拡散している。
「鉄道ファンは、鉄道写真の愛好家を“撮り鉄”という隠語で呼びます。このツイートによると、秩父警察署は山添さんのような“撮り鉄”は検挙しているにもかかわらず、地元住民は見逃していると指摘。他にも、一部の鉄道ファンの間で『少なくとも首都圏の警察では、埼玉県警が最も鉄道オタクに厳しい』という説が流布しています。ただし、地域住民は読売新聞の取材に『勝手踏切としては使っていない』、『日常的に渡っていない』と反論しています(註4)」(同・ライター)
「秩父鉄道への愛着」説
「『山添議員は普通の人より鉄道の知識を持っている。だからこそ勝手踏切を渡ってほしくなかった』と、鉄オタが山添さんを批判しているツイートも散見されます。その一方で、山添さんを擁護する鉄オタの主張も、『説得力がない』と切り捨てるわけにもいきません。勝手踏切を渡る人が誰でも書類送検されているわけではないからです」(同・ライター)
事件の起きた2020年11月3日は文化の日で祝日、秩父鉄道ではイベント「ちちてつ秋祭り」が開催されていた。目玉企画の1つは「電気機関車108号機の引退記念運行」だった。
「108号機は昭和26(1951)年に製造という、非常に古い機関車です。これが引退するのですから、秩父鉄道や埼玉県警からすると、多数の撮り鉄が参集することは事前に予測できたでしょう」(同・ライター)
山添議員の送検を報じた読売新聞は、埼玉県警が《鉄道ファンの悪質行為を警戒していた》ことを明らかにしている。
「山添さんの公式ブログでは、過去に蒸気機関車を撮った写真が公開されています。SLなど、機関車の牽引する列車に思い入れがあるのではないでしょうか。秩父鉄道はSLや貨物列車など、私鉄では珍しく機関車が活躍することでも有名です。秩父鉄道に愛着があり、ちょっとやり過ぎたということなのでしょう」(同・ライター)
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