共産党「山添拓議員」が軽犯罪法違反で書類送検 「撮り鉄」から擁護論が上がるワケ

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「勝手踏切」の問題

 司法試験に合格した法律のプロであり、なおかつ共産党の参議院議員である男性が書類送検された──。

 このニュースは、たちまちネット上に“論戦”を巻き起こした。鉄道ライターが解説する。

「山添さんは軽率であり国会議員なのに遵法意識がないと批判する投稿、山添さんは自らTwitterで送検の事実を報告したと評価する投稿、更に警察が山添さんを尾行していたのではないかと疑う陰謀論的な投稿が入り乱れ、SNS上では話題になりました。一方で、一部の鉄道ファン、つまり“鉄オタ”が山添さんを擁護していることも注目を集めています」

 議論となっている事実関係を見ていこう。まずは「勝手踏切」の問題だ。しかし、鉄道にあまり関心のない人は、「それは一体、何だ?」と思うに違いない。

「沿線住民などが勝手に階段や通路を整備、線路を横断できるようにした場所を『勝手踏切』と呼びます。国交省が今年1月時点の調査を行うと、全国で勝手踏切は1万7066カ所あったそうです。この調査結果を共同通信が4月30日、記事にして配信しました。(註2)」(同・ライター)

江ノ電では重体事故

 一般的に踏切のイメージといえば、遮断機や警報器を連想するだろう。だが、勝手踏切は住民などが線路を渡るため勝手に作ったものだ。安全性を高める設備など全く存在しない。

「今年4月、江ノ島電鉄(本社:神奈川県藤沢市)の鎌倉市内にある線路で、勝手踏切を横断していた小学校3年生の女児が電車にはねられ、意識不明の重体に陥る事故が起きました。毎日新聞は、江ノ島電鉄にはこうした勝手踏切が89カ所あると報じています(註3)。勝手踏切を原因とした事故が全国でたびたび起きているのは、多くの鉄道ファンが知っているところです」(同・ライター)

 勝手踏切を渡れば、誰でも軽犯罪法や鉄道営業法などに抵触する可能性がある。地域住民だろうが、鉄オタだろうが、斟酌されないのが建前だ。

 とはいえ、全国各地で日常的に使われ、それが黙認されているのも間違いない。例えば、共同通信が報じた国交省の調査によると、勝手踏切の数は愛媛県の1031カ所が最多。次に長野県の872カ所、新潟県の825カ所だったという。

「死亡事故が相次ぎ、鉄道会社や行政が改善しようと動いても、沿線住民の反対で進まないことは珍しくありません。何しろ、玄関の前が線路という住宅もありますからね」(同・ライター)

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