甲子園予選で痛恨のエラー 岸田総理、勝利の原点は「開成高校野球部」の“弱者の兵法”
弱者の兵法
解散を決断し、自信に満ち溢れた表情を見せた新総理。その原点は青春時代を過ごした開成高校野球部にあった。政治家・岸田文雄がたどり着いたのは「弱くても勝つ」という意外な兵法だった――。
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〈弱者の兵法、下手の矜持というべきか。上手くなって勝とうとするのではなく、下手は下手で勝つのだ〉
進学校として知られる開成高校の野球部を取材したノンフィクション『「弱くても勝てます」 開成高校野球部のセオリー』(高橋秀実著 新潮文庫)にこんな一節が登場する。東大合格者数1位の開成高校。その野球部たるや、いかにも「弱い」というイメージがあるが、勝つための独特の「理論」が存在し、それが「弱者の兵法」なのだという。
党内第5派閥(46人)でありながら、自民党総裁に選出され、総理大臣の座を射止めた岸田文雄氏(64)は開成高校野球部出身である。著書『岸田ビジョン』にはこう書かれている。
〈派閥の会長となっていますが、野球から学んだことが大いに役立っています〉
すると、総裁選勝利から新内閣の人事まで、そこに通底していたのは「弱者の兵法」だったのだろうか。
新内閣の人事への評価は
新内閣の人事について、政治部デスクは、
「官房長官には細田派の松野博一さん、幹事長には麻生派の甘利明さんを起用しました。新内閣の人事も岸田派よりも総裁選で応援してくれた他派閥を重用し、腐心の跡が見えます」
と解説する一方で、岸田総理と同じ派閥(宏池会)に所属し、総理とは縁戚関係にある広島県選出の宮沢洋一参院議員は、
「一見、先輩方に気配りを見せているようで、自分のやりたい方向性を示せていると思います。なかなか上手いと感心しました」
と拍手を送る。その組閣の内幕に迫る前に、まずは政治家・岸田文雄の愚直さ、不器用さの「原点」だった野球部時代を覗いておきたい。
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