ドラフト「甲子園未出場組」は宝の山? 有力候補10人の“気になる評価”

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4打席連続で三振を奪う

 ドラフト会議での指名に必要となるプロ志望届の提出が9月27日に締め切られた。過去最多となった昨年よりは少ないものの、150人を越える高校生がプロ志望届を提出している。このなかには、風間球打(明桜)や石田隼都(東海大相模)といった甲子園を沸かせた選手だけではなく、大舞台には縁のなかった有力選手も少なくない。春夏の甲子園で一度も見られなかったドラフト候補について、有力選手を中心に評価を探ってみたい。

 投手でまず1位指名が有力視されているのが、森木大智(高知)だ。中学時代に軟式で150キロをマークして、大きな話題となった。しかしながら、高校での3年間は、同じ県内の明徳義塾の壁を破ることができず、甲子園の土を踏むことはできなかった。ここ一番で勝負弱く、森木の成長について危惧する声はあるが、ピッチングは順調にスケールアップしており、高校生の中でも総合力の高さは指折りであることは間違いない。

 筆者が最後に森木のピッチングを見たのは、夏の高知大会前の7月3日に行われた大阪桐蔭との練習試合だった。全国屈指の強力打線を相手に7回を投げて3失点、11奪三振と見事なピッチングを披露。大阪桐蔭の主将、池田陵真との“ドラフト候補対決”では、4打席連続で三振を奪った。この日のストレートは、スカウトのスピードガンで152キロをマーク。それほど全力で投げていないように見えても、コンスタントに145キロを超え、決め球となるスライダーの鋭さと精度も目を見張るものがあった。

細身ながら躍動感溢れるフォーム

 森木と同じ右の本格派で、今夏、一気にスカウト陣の評価を上げたのが竹山日向(享栄)だ。下級生の頃から好素材と評価されるも、昨秋に肘、今春に太ももと故障に苦しみ、なかなか本領発揮とはいかなかった。

 だが、夏の愛知大会準々決勝では最速151キロをマークし、見事に成長した姿を見せた。決して力任せではなく、柔らかさのあるフォームから楽に腕を振って速いボールを投げられる。ただ、少しリズムが単調になるなど投球術に課題が残ることから、風間や石田、森木より評価が低くなると見られる。ただし、抽選の展開次第では、1位か2位で消えることも十分に考えられる。

 3位から4位あたりで名前が呼ばれそうな選手は、田中楓基(旭川実)と山本大揮(九州国際大付)である。田中は、細身ながら躍動感溢れるフォームで、投手としてのセンスの高さは抜群だ。夏は北北海道大会の初戦で敗れたが、プロからの評価は変わらず高い。

 山本は九州を代表する本格派右腕。昨秋の九州大会では、今春の選抜で準優勝した明豊に敗れるも、8回を投げて1失点と好投した。スピードは145キロ前後。184センチの大型右腕でありながら、バランスが良いフォームで、今後球速が上がりそうな雰囲気がある。また、リリースの感覚が良く、カットボールやスライダーといった変化球も高校生とは思えないレベルだ。このほか、黒田将矢(八戸工大一)と羽田慎之介(八王子)は、スケール抜群の大型投手だけに、下位指名で狙っている球団は多いだろう。

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