元AKBラーメン店主がはんつ遠藤氏を出禁に 有名ラーメン評論家が語る“騒動への本音”
先月24日、元「バイトAKB」のメンバーでラーメン店「麺匠八雲」(東京都葛飾区)、「中華蕎麦 沙羅善」(神奈川県鎌倉市)などを経営する梅澤愛優香さん(24)が、セクハラなどを理由にラーメン評論家の入店を禁止することをTwitterで表明した。それに対し、フードジャーナリストのはんつ遠藤氏(54)が28日にブログで〈それ、僕です!〉と名乗り出た。さらに、セクハラなどについて反論を行ったが、その独特な文体もあいまって大きな騒動に発展したのだった。著名なラーメン評論家に今回のトラブルについて聞いた。
他のラーメン評論家への影響も
事の発端は、梅澤さんが〈ラーメン評論家の入店お断りします〉とTwitterで表明したことだった。さらに、「グッド!モーニング」(テレビ朝日)に出演した梅澤さんは、「ラーメン評論家Hさん」から会食の際に無断で写真を撮影された被害などを訴えた。
これに対して、「ラーメン評論家Hさん」は自分であるとブログで名乗り出たはんつ氏だったが、〈昼間はそこそこイイ奴なのに(そこそこね)、お酒飲むと泥酔しちゃって豹変というか、飲み始めて30分くらいですぐにダメ人間(涙)〉など、開き直りとも取れる反論を繰り広げ、火に油を注ぐ事態となった。
ラーメン評論家の山本剛志氏が、騒動の影響を明かす。
「今回のことで、世間のラーメン評論家に対する目が厳しくなったことを肌で感じています。私のSNSにも批判コメントがいくつか来ました。今のところ、ラーメン評論家の仕事に影響は出ていませんが、今後はさらに風当たりが強くなるのでは無いかと心配しています」
山本氏は、2000年放送の「TVチャンピオンラーメン王選手権」(テレビ東京)で優勝し、現在も年間600杯のラーメンを食べ歩きながら、様々な媒体にラーメンのレビュー記事などを寄稿する現役ラーメン評論家の1人だ。
「ラーメン評論家といっても、それだけで食べていける人はいないと思います。皆さん、他の分野でライター業をしていたり、通販サイトを立ち上げたりするなど、他の仕事をしながら、ラーメン評論家をやっています。そもそも、ラーメン評論家に定義はなく、名乗ろうと思えば誰でも自由に名乗れるものです。今回のことで、それをひとくくりにして、“ラーメン評論家は店の迷惑を考えない、偉そうな人”と見られてしまうのは、少し辛いです」(同)
騒動になったはんつ遠藤氏は、自身のブログで〈これ、余談ですが、僕、ラーメン評論家じゃなくてフードジャーナリストなんです。。〉、〈僕は数年前からC級ホテル評論家になりました。〉などと記しているように、ラーメン評論家という肩書を敢えて使っていなかったようだが、世間的にははんつ氏はラーメン評論家として認識されているのも事実だ。
ラーメン評論家を取り巻く厳しい状況
山本氏は、20年以上前からラーメンの食べ歩きを続けている。その頃からこだわっているのがラーメン評論家の肩書だという。
「一昔前は、美味しいラーメン店の情報が今よりも貴重で、文章だけでラーメン店や味を表現するラーメン評論家が、ある意味力を持っていました。当時はラーメンの写真を撮る人も珍しく、今のようにレビューサイトやSNSで簡単にラーメン店の評判を知ることが出来る時代とは、大きく違っていましたから」(同)
時代の移り変わりと共に、ラーメン評論家を取り巻く状況は厳しくなっていったそうだ。
「誰でも情報を発信できるような時代においては、ラーメン評論家は、美味しいラーメンと共に、歴史や文化を伝えるなどの役割を果たすことは出来ないものか、と常々考えていました。その矢先に、今回の騒動が起きたんです。いつの時代であっても、ラーメン店があってこそのラーメン評論家ですから、お店に迷惑を掛けるようなことはあってはならないと思います」(同)
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