夫が子供を「連れ去り」 面会交流でしか我が子に会えない母親の「月1回4時間の子育て」
母親とは何なのか
それでも、離れている時間の方が長いため、気持ちが落ちることもある。
「今はまだ子供たちも、月1回の面会交流を楽しみにしてくれている。でも、高校生、大学生になったらどうなるのだろう。私なんか死んでしまっても、子供は別になんとも思わないんだろうな、なんて悲観的な考えに襲われてしまうこともありました」
体調を崩したことがあり、それを面会のときにポロッと言ったら、長男がボソッと「ママ、死なないでね」とこぼした。佳寿子さんはハッとした。
「そんな言葉が返ってくるとは思わなかったんです。子供の気持ちが信じきれなくて、すぐに疑心暗鬼になってしまう自分を反省しました」
衣食住の世話という日常のふれあいなくして、母親として自信を持ち続けていくのはなかなか難しい。揺れ動く気持ちを必死で抑え込み、「大丈夫、子供を信じるんだよ」と自分に言い聞かせる日々。
「子供にとって母親って何なのかな。どう生きていけば、子供の母親であり続けられるのかな」
これからも、この問いから逃げ出さずに向き合っていくつもりだ。
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