大工さんから球宴出場も…ドラフト「最下位指名」から大化けしたスゴい選手たち

スポーツ 野球

  • ブックマーク

伯父、甥ともに最下位指名から首位打者へ

「自分は、順位は低いけど、入ってからが勝負。即戦力として1日も早く1軍でプレーしたい」と力強く抱負を語った佐野は、外野手にも積極的にチャレンジし、昨季は筒香嘉智が抜けたあとの4番として打率.328、20本塁打、69打点の好成績で首位打者を獲得したのは、ご存じのとおりだ。

 ちなみに佐野の母方の伯父は、ダイエー時代の92年に首位打者を獲得した佐々木誠だが、実は佐々木も83年の南海の最下位6位指名。伯父、甥ともに最下位指名から首位打者へと同じ道を歩んでいることに不思議な因縁を感じさせられる。

 このほか、現在活躍中の選手では、楽天・島内宏明(11年6位)、DeNA・宮崎敏郎(12年6位)、オリックス・杉本裕太郎(15年10位。全88人中87番目)も最下位指名からチームの主力となった。今年のドラフトでも、下位指名の選手の中に“未来の大物”が隠れているかもしれない。

久保田龍雄(くぼた・たつお)
1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。最新刊は電子書籍「プロ野球B級ニュース事件簿2020」上・下巻(野球文明叢書)

デイリー新潮取材班編集

2021年10月7日掲載

前へ 1 2 3 次へ

[3/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。