実績なしの「最速156キロ右腕」がドラフト戦線に! 社会人&独立リーグの大化け候補5人

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タイミングのとり方さえ改善できれば

 続いて、社会人の野手。近畿大学出身の大型ショート、中川智裕(セガサミー)は、長打力がスカウト陣の注目を集めている。190cm近い長身でとらえた時の打球の迫力は申し分なく、ショートから見せる強肩もプロで上位に入るレベルにある。ただ、大学時代から打撃に粗さがあり、社会人2年目となる今年もその傾向が続いている。タイミングのとり方さえ改善できれば、一気に大化けする可能性を秘めている。

 独立リーグの野手では、村川凪(徳島インディゴソックス)の俊足に期待が集まる。四日市大時代から抜群のスピードを誇り、独立リーグ1年目となる今年は40盗塁(63試合出場)をマークして、見事に盗塁王に輝いた。常に全力疾走を怠らず、4.00秒を切ればかなりの俊足と言われる一塁到達タイムは3.8秒台を記録している。打撃のパワーに課題が残るものの、スイングの形は悪くない。しっかり鍛えれば、NPBで勝負できる可能性は十分にあるだろう。ソフトバンクで活躍する周東佑京のような「足のスペシャリスト」として、プロでの飛躍を期待したい。

 昨年のドラフトでは6位指名だった中野拓夢(阪神)が早くも1年目からレギュラーを獲得し、2年目の滝中瞭太(楽天)や岸潤一郎(西武)も下位指名での入団ながら、すでに一軍で活躍している。今年のドラフトでも、彼らに続くような社会人や独立リーグの選手がきっと出てくるはずだ。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮取材班編集

2021年10月7日掲載

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