実績なしの「最速156キロ右腕」がドラフト戦線に! 社会人&独立リーグの大化け候補5人
スカウト陣の間で密かに話題
10月11日に開かれるドラフト会議がいよいよ迫ってきた。大きくクローズアップされるのは、もちろん上位指名が予想される選手だが、下位指名や育成指名のなかでも、大化けの可能性を秘めた選手は誰なのか、楽しみな野球ファンも多いだろう。高校生、大学生に続き、今回は社会人と独立リーグのドラフト候補のなかで、将来性がある有望株を探ってみたい。
【写真】悪い癖のないバランスの良いフォームを持ったHonda・米倉貫太
まず、ほとんど実績がないにもかかわらず、スカウト陣の間で密かに話題となっている社会人投手がいる。それは、柴田大地(日本通運)だ。日本体育大時代は肘の故障などで公式戦の登板はない。それでも社会人強豪のチームに進んだのは、素材の良さが評価されたためだ。
昨年はリハビリと体作りに費やすと、2年目の今年はオープン戦で最速156キロをマーク。公式戦の登板はわずか3試合しかないが、10月1日に行われた都市対抗南関東予選の第1代表決定戦では、9回からマウンドに上がり、三者凡退で締めて、チームの本大会出場を決めている。この日の最速は152キロで、投じた13球のストレートのうち9球が150キロを超えていた。ストレートの迫力は今年の候補の中でも上位に位置しており、近い将来のクローザー候補として期待したい投手である。
プロでもトップレベルの2600回転を記録
同じく実績は乏しいものの、スケールの大きさが魅力なのが米倉貫太(Honda)だ。埼玉栄時代にダルビッシュ有(パドレス)を指導した若生正廣監督(当時)の下でプレーし、下級生の頃から大器として評判だった右腕だ。
チームが優勝を果たした昨年の都市対抗では、打者2人、わずか6球だけの登板で、ワンアウトもとれずに降板した。しかしながら、ストレートは151キロをマーク。試合中継で紹介されたボールの回転数は、プロでもトップレベルの2600回転を記録するなど、能力の高さを見せた。悪い癖のないバランスの良いフォームで、素材の良さは誰もが認めるところ。もう1年、会社に残り、結果を残してからプロ入りを目指すべきとの声も少なくないが、“先行投資”で米倉の指名を検討する球団も出てきそうだ。
一方、独立リーグの投手では、大型右腕の堀越歩夢(栃木ゴールデンブレーブス)に注目。関東学園大付、東日本国際大では目立った実績はなく、大学4年だった昨年夏にBCリーグの栃木へ入団したという異色の経歴の持ち主である。昨年はリリーフで登板を重ね、今年は先発としてリーグ7位となる防御率2.76をマークしている。186cm、93kgという恵まれた体格から投げ込むストレートは威力十分。9月23日に行われたBCリーグ選抜チームと巨人三軍との交流試合では、151キロのストレートを武器に巨人打線を封じ込めた。1回を三者凡退、2奪三振という素晴らしい投球で、スカウト陣へのアピールに成功した。
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