ドラマ「うきわ」ヒットに見る“不倫未満文化” 潜在的な浮気願望を持つ人がいるからヒットした?

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名付けられない関係性

 ポイントは、通常の不倫モノと違って主役同士(門脇と森山)が最後まで決して深い仲にならない点だ。

 ライターの吉田潮氏に感想を聞くと、

「門脇の素朴さと森山の朴訥とした演技が良かった」

 と評し、次のように言う。

「たとえば芸能人が不倫を働いたら、ネット界隈ではどこまでも叩いていいとされているのが今の時代の風潮ですよね。でも、浮気って本当は、みんな多かれ少なかれ一度はしてみたいと思っているものかもしれず、少なくともそう思う人たちがいるから番組はヒットしたのでしょう。『友達以上、不倫未満』というサブタイトルも、見る側にしてみれば、禁を破ってはいないというある種の免罪符として働いたのでは」

 社会学者で作家の鈴木涼美さんは、作品が描く“不倫未満文化”を分析。

「たとえ不倫してみたいと思う人でも、家庭や命を捨ててまで浮気したいというケースは多くないはず。また女性は友達以上、恋人未満といった“名付けられない関係性”に惹かれる傾向がある。番組はそうした視聴者の気分をうまくすくい上げたんだと思います」

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