報ステ「大越健介氏」の初登板は微妙な視聴率 民放プロデューサーは“徳光型”を期待

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NHKでは異色でも

 番組の内容は悪くなかったという。

「政治記者らしく、“大越カメラ”を手に自ら国会に出向き、福田達夫・自民党総務会長ら岸田内閣の注目議員を直撃。議員との会話も手慣れたものでした。スタジオからテレ朝の政治部官邸キャップとの掛け合いもスムーズにやっていました。むしろ、初日のハプニングを期待した視聴者には、物足りなかったかもしれません」

 スポーツコーナーでは、東大野球部時代(エースで8勝27敗)の写真も披露した。

「日米大学野球では日本代表に選ばれ、後に大リーガーとなるマーク・マグワイアと対決したことに触れ、『マグワイアをレフト前ヒットに“抑えた”』と自虐ネタも出しました。あまりウケていませんでしたけど」

 親しみやすさも打ち出していた。それでも数字が伸びなかったのはなぜなのか。

「改めて思ったのは、大越さんは確かにNHKでは異色の存在でした。穏やかでも芯は曲げない“物言うキャスター”として注目され、視聴者を味方に付けていました。でも、民放に来たら、普通のおじさんにしか見えないということです。『報ステ』での初日が、歴代100代目の内閣総理大臣の誕生の日と重なったことについて、『巡り合わせかも……違いますね』などと語っていましたが、まだちょっと弱い。民放では、もう少しエッジを効かせたことを言わないと……」

 いきなりそこまで彼に求めるのは酷かも。

アナウンサーではない

「そもそも大越さんは記者であり、アナウンサーではないので、しゃべりに目を見張るようなスキルもない。民放の場合、“俺が俺が”で前に出るようなキャラでないと引き立たないんです。『ニュースステーション』の久米宏、『報ステ』の古舘伊知郎は最たるモノで、前任の富川アナにだってその気は感じられました」

 確かに「報ステ」とは分かっていても、NHKを見ているような気がした視聴者も少なくなかったはずだ。

「元NHKの有働由美子アナだって、あれほどNHKらしからぬ存在と言われていたのに、民放に来たらそんなに目立ちません。やはり民放のMC界を制するのは、見た目も良く、気持ちのいい出たがりという要素が、一番重要なんです」

 ところで、せっかく民放に来たのだから、ギャラは良くなったのだろうか。

「久米や古舘は所属事務所が制作に加わって1本200万円と言われていましたが、大越さんの場合はおそらく1本80万円くらいではないでしょうか。テレ朝にとっては安いものでしょうが、NHK出身者にとっては垂涎の金額だと思います」

 大越キャスター、長続きするだろうか。

「ひょっとすると、人のいいおじさんのようでいて、ちょっと毒を吐く徳光和夫型になるかもしれません。定着するには、もう少し時間がかかるでしょう」

デイリー新潮取材班

2021年10月7日掲載

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