慰安婦合意をまとめた岸田新首相に期待する韓国 歴代大統領の裏切りと約束破りの歴史を振り返る

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外相としてのレガシーに

 岸田文雄新首相は2015年、外相として日韓慰安婦合意をまとめあげた人物である。差し当たって冷え切ったままの日韓関係を憂い、関係改善を模索する韓国側の一部は、その縁で新首相に期待するところも少なくないと言うが……。韓国在住・羽田氏のレポート。

 2015年12月、岸田氏は外相として、慰安婦問題について「最終的かつ不可逆的な解決」をうたった日韓合意をまとめた実績と持つ。

「岸田さんは2012年から外相を務める中で、慰安婦問題の最終解決に意欲を燃やしていました。それを“レガシー”としたうえで、違う畑でキャリアを重ねたかったのではないでしょうか。当時の安倍晋三首相がこの合意をリードしたとされているようですが、実際は岸田さんが汗をかき積み上げたものだと理解しています」

 と話すのは、韓国政府関係者。

「総裁選で韓国政府やメディアからは『河野総裁』を期待する声があがっていましたが、日韓合意をまとめた張本人として、岸田氏へのシンパシーもないわけではありません」(同)

李承晩ライン

 一方、韓国メディアの記者にも聞いてみると、

「うーん、岸田氏としては韓国に裏切られた思いがあるんじゃないでしょうか。せっかくまとめあげた合意が朴槿恵(パク・クネ)大統領の弾劾・罷免で宙に浮いてしまった。そして後任の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が就任早々、反日行動を展開し、そのひとつとして日韓合意の破棄を一方的に宣言してとどめを刺した。韓国はよく約束を守らないとかゴールポストを動かすとか言われて批判されてきましたよね。岸田氏はその当事者となってしまったわけで、距離を置きたくなる気持ちもわからないではないですね」

 この記者の言うように、韓国の歴代大統領はおしなべて約束を守らなかったり破ったり……を続けてきた。そうでなくとも、その後の政権に「約束は履行するように」と申し送りを怠ったり、前任者の仕事を全否定したりするかのような行動が散見される。その流れを以下にざっと見ておこう。

 第1~3代大統領を務めた李承晩(イ・スンマン)は、《「海洋主権宣言」を行って,いわゆる「李承晩ライン」を国際法に反して一方的に設定し、同ラインの内側の広大な水域への漁業管轄権を一方的に主張するとともに、そのライン内に竹島を取り込みました》(日本外務省のホームページ)とあるように、不法な実効支配を展開した人物だ。日本にとってこの悲劇は今もなお続いている。

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