【韓国】「岸田氏の顔をした安倍政権」「安倍の影から脱しない日本」「高市(いわゆる極右)が政調会長」などと警戒を強めて

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「安倍=絶対悪」の図式がすっかり定着

 自民党総裁選に勝利した岸田文雄氏が10月4日に首相に就任し、岸田政権がスタートした。この間、韓国では、総裁選候補となった高市早苗元総務相やそれを後押し、支援した安倍晋三元首相への警戒感が強まっていた。韓国在住、羽田真代氏のレポート。

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 韓国でも日本と同様に、今回の総裁選の結果について、河野太郎前行革担当相の失速と共に、高市氏の伸張具合に注目が集まっている。韓国の政界やメディア、世論としては「河野総裁・首相」を望む声が大きかった。

 河野氏自身の政治信条や父・洋平氏が「河野談話」を発表したことにシンパシーを感じる勢力が多いことがその背景にある。一方で高市氏に警戒感が強まったのは「河野談話」を破棄して事実に基づく新たな談話を出すと公言しているのと同時に、出馬や総裁選活動について、安倍晋三元首相がその後ろ盾となっていたからだ。

 安倍氏といえば、2015年の「慰安婦日韓合意」によって、長年の懸案となっていた慰安婦問題を首相として「最終的かつ不可逆的な解決」に持ち込んだ実績がある。韓国では政権交代後、文在寅大統領となると、一方的にこの合意を反故にする方針に転じたが、安倍氏はそういったスタンスに動ぜず強硬な姿勢を貫いてきた。

 結果、韓国では「安倍=絶対悪」の図式がすっかり定着し、それと連動するように、自民党はこれまで以上に「極右政権」と言われるようになった。

「安倍キッズで構成された幹部人事」

 今回の総裁選で、「河野vs岸田」という構図に高市氏というピースを加えて河野氏の独走を阻止したのも、決選投票で岸田氏と高市氏との連合を演出し、岸田氏を逆転に導いたのも安倍氏の作戦によるものだった――日本でもよくある見立てだが、韓国メディアも同様の見方を示している。

 加えて、総裁就任後の党役員・閣僚人事について、岸田氏がそんなキングメーカーの意向を無碍(むげ)にはできないだろうという観点で、「安倍の影から脱しない日本」「安倍キッズで構成された幹部人事」などと論評。そもそも岸田氏は、安倍内閣の外相として日韓合意をとりまとめた中心人物なのだから、韓国側の批判のボルテージがあがるのも無理はないのかもしれないが……。

 一部では“岸田の顔をした安倍政権”の誕生とたとえられていることもあって、韓国民の岸田新政権に向ける目はやたらと厳しい。ネット上で過激な声が目立つのは日本と同様である。

「日本は民主国家ではなく封建国家の変形に過ぎない」「韓国は気をつけなければならない。歴史上いつも被害を受けるのが韓国だ」「本当に日本の政治は前時代の未開部族国家と変わりない。そのお陰で韓国がマシに思える」「どうか韓国に問題を持ち込まないで。全て自国で解決して」等々、批判ばかりが目につく状況だ。

 さらに「韓国は日本を軍事力で制圧する実践能力を備えなければならない。また、文禄・慶長の役や朝鮮合併(日韓併合)など、恥辱の歴史を報復するため着実に軍事力を強化すべきだ」などと物騒な意見まで上がっている。

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