「歴史的貧打」で低迷する中日 ドラフトで狙うべき長距離砲は?

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12球団で唯一3割を切る出塁率

 昨年は7年ぶりにAクラス入りを果たしたものの、今年は再び最下位争いに転じている中日。チーム防御率は12球団トップの数字をマークしているにも関わらず、黒星が先行する最大の要因は得点力不足であることは明らかだ。本塁打数はリーグでもダントツの最下位で、相手投手に与える怖さがないことから四球の数も圧倒的に少なく、チーム出塁率も12球団で唯一3割を切っている。

 これらの数字から見ても、球団史上最悪クラスの「歴史的貧打」と言っても過言ではないだろう。広い本拠地のバンテリンドームナゴヤで戦っているとはいえ、長打力不足を解消しなければ、安定して優勝争いに加わることはやはり難しい。即効性のある解決方法は、外国人選手やFA、トレードとなるが、中長期的にはやはりドラフトで強打者タイプを指名することは必要だ。一昨年のドラフトでは石川昂弥を1位で獲得しているが、まだまだ不足していることは間違いない。そこで、今回は、中日が貧打解消に必要になると思われる、今年のドラフト候補をピックアップしてみたい。

10試合で4本のホームラン

 高校、大学、社会人の全カテゴリーのなかで、最も安定して長打やホームランを打てる選手と言えるのが、慶応大の主砲、正木智也だ。慶応高校時代から神奈川県内では評判のスラッガーで、大学進学後も2年春から中軸に定着。今年の春のリーグ戦では10試合で4本のホームランを放ち、続く全日本大学野球選手権でも準決勝、決勝と試合を決める一発を放ち、MVPに輝いている。

 少しヘッドが外回りする傾向があり、内角の速いボールへの対応には課題も残るが、ボールを飛ばすことに関しては大学球界でナンバーワンであることは間違いない。また、高い弾道の打球が持ち味で、フェンスの高いバンテリンドームナゴヤにも向いている選手だ。この春の活躍で評価が上がっているだけに、2位以内でないと獲得できない可能性は高そうだ。

 正木と同じ大学生で、今年、スカウト陣の評価が急上昇してきたのがブライト健太(上武大)だ。昨年まではリーグ戦通算0安打だったが、この春は3本塁打、12打点の大活躍でMVPを獲得。全日本大学野球選手権では、ドラフト1位候補の隅田知一郎(西日本工大)から一発を放つなど、4試合で打率.615、2本塁打、5打点と打ちまくり、強烈なインパクトを残した。攻守ともにまだ粗さが残り、結果を出したのが1シーズンだけというのは不安要素ではあるものの、潜在能力の高さは大きな魅力である。1位指名の抽選の展開によっては、2位以内の上位に入ってくることも十分考えられる。

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