オダギリジョー「オリバーな犬」 辛口コラムニストの高評価と変わらぬNHK不信

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 そろそろ夏ドラマの総括でもお願いしようと、辛口コラムニストの林操氏に連絡したところ……送られてきた原稿は総括ではなく、現在放送中の「オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ」(NHK総合)に関するものだった。

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 TVの世界では7~8月期来が終わり、10~12月期が始まります。夏ドラマの総括と秋ドラマの展望を非国民生活センター・TV主席研究員の林操さんにお願いします。

林:断る!

アナ:また、そんな。ホメるにせよケナすにせよ、語るに足るほどの作品がないとかいうお話なら、もう聞き飽きました。プロなんですから、ちゃんとお仕事してください。

林:いやいや、振り返ったり先読みしたりしなくても、語るに足るドラマが、今ここにあるのよ。

アナ:失礼しました。何ですか、その作品は?

林:「オリバーな犬」!

アナ:おお、「オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ」ですね、NHK「ドラマ10」枠(金曜・夜10時~)の。オダギリジョーさんが出演はもちろん、脚本、演出、それに編集まで手掛けるというので、ちょっと話題になっていました。

林:その出演っていうのがまた、着ぐるみの警察犬役だしね。

アナ:あ。林さん、「オリバーな犬」のことを「語るに足るドラマ」とは呼びましたが、ホメるともケナすとも言っていませんでしたね。どっち……なんですか?

林:どっち……なんだろね?

アナ:え?

手数の多いドラマ

林:いやもうとにかく「オリバーな犬」、持ち上げるにしても落とすにしても、語れることが山ほどありすぎて、まずどこから手を付けていいのか、まずそこからわからない状態。軍事用語で「飽和攻撃」ってのがあるけれど、それを受けるとこんな感じなのかねと思ったり、あるいは、死の秘孔を突いてくる手と性感マッサージしてくれる手が500本ずつ生えてる千手観音に抱きつかれて身体じゅう触りまくられてるみたいだなと思ったり。

アナ:なんだかよくわかりませんが、私も第2話まで見て、これは毀誉褒貶の分かれる作品だなぁと感じました。

林:ついでに、手数の多い作品だなぁ、と思わなかった?

アナ:ええ、確かに。

林:初回を見ながらと見た後に取ったメモがえらく長くなったので、メモアプリの文字数を見てみてたら4687字。メモが長くなりがちな連ドラ初回でも1時間モノ(正味45分程度))1話でこんなに書くことのあったドラマ、他にちょっと思い出せません。

アナ:でも、そういう作品ですよね。いろいろ詰まっていて。

林:2話を見てのメモもまた長くて3608字。おっと思ったところを全部紹介していくと単行本1冊になっちゃうので、今日は“メモのメモ”を作ってきました。ほら。

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