東京五輪仕様の「トヨタ車」が中古車市場で売出し中 「アルファード」でバッハ会長気分?
喉元過ぎれば熱さを忘れる。今回の東京五輪にピッタリのことわざだろう。終わってみれば、2ヵ月足らずで何事もなかったかのようである。が、その“レガシー”は身近なところで復職していて――。
【写真5枚】中古車販売店に並ぶ東京五輪仕様の「プリウス」「アルファード」。五輪のロゴなどのラッピングは剥がすことも可能だが、乗らずに保管しておけば倍の値段が付く可能性もあるという
値段は300~400万円
9月上旬から、全国の中古車販売店に姿を現したのが、東京五輪で関係者を乗せて、選手村や競技会場を東奔西走したトヨタの車両である。トヨタから五輪に提供されたのは、プリウスやアルファードといった車種が計2700台。五輪閉幕後、お役御免となり、早くも中古車市場で売りに出ているわけだ。
「五輪が終わって、メーカーから買わないかと案内がきました。やはり目玉は五輪のロゴと、側面のデザイン。ラッピングなので剥がせますが、“現物限り”ということで剥がす予定はありません」(ディーラー)
ネットで公開されるや、問い合わせも多く、店頭では記念撮影をする客もいるとか。走行距離によって値段の高低はあるものの、およそ300~400万円と、同種の中古車と変わらない。走行距離も、多くは数百キロと新古車同然である。
「コレクターというのは自慢したいもの。これら五輪カーは、自慢するにはインパクトが弱いですね」
と語るのは、数々のお宝グッズの収集家として知られる、庶民文化研究家の町田忍氏。
「現に市販されている車種なので、かつてケンとメリーのCMで人気を誇った日産スカイラインのように、数千万のプレミアがつくとは思えません。とはいっても限定品ですから、乗らずに保管しておけば、20~30年後には、倍ぐらいの値になっても不思議ではありませんね」(同)