強行婚から14年、再評価され始めた「辻希美」の強さ アンチも巻き込んだ「ビジネスセンス」とは

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長期戦の覚悟がいる強行婚 ファンだけでなくアンチもつかんで離さないビジネスセンス

 とはいっても、それは辻ちゃんたちの人柄や運の良さ、という短絡的な話でもないだろう。自分の稼ぎを失わないよう、長期戦の覚悟でファンもアンチも増やしてきた辻ちゃんのビジネス力のたまもののように思うのだ。

「そんな結婚やめておけ」という周囲の反対を押し切って結婚するケースはいくらでもある。一般人なら表立って問題はないだろうが、公の場に出る職業はそうはいかない。自分の顧客やファンが収入源なのだから、彼らの支持を失っては結婚どころか生活が立ち行かなくなってしまう。

 辻ちゃんにとっては、それがアイドル時代やママタレント時のファンであり、ブログのアンチ読者であったはずだ。結婚によって一部のファンは離れたものの、より注目度が上がったのは事実である。自身のワガママや相手のトラブルで離婚となれば好感度は落ち、ファンもアンチも失う。が、健気にブログをつづって結婚生活を続けていれば、ファンは応援してくれるし、アンチも離れない。当時の夫は自分より知名度がなく、幼い子どもたちを育てるには頑張るしかなかっただろう。結婚当初はワンオペ育児にもなり離婚寸前までいったと話していたが、もし離婚をしていたら家族だけでなく経済力も失っていたはずだ。

 フリルのついた服やふんわりしたシルエットのスカートなど、常々お姫様然としたファッションを好んでいた辻ちゃん。かつては後藤真希さんのお母様のお葬式で、頭に大きなリボンとバリバリのつけまつ毛をつけて参列し、さすがに非常識だと反感を買った。強行婚に浮かれたお姫様アイドルというイメージも、そうした行動によって色濃くなったのだろう。思えばお姫様とは、単純に王族や貴族の未婚女性だけでなく、世間知らずな女性をからかう時に使うこともある。しかし今の辻ちゃんは、世間知らずどころか世知に長けているようにさえ見えないか。自分がどう見られているかを自覚し、ファンやアンチを裏切らない行動をとり続けられるビジネスセンスとタフさは、並大抵の女性にはつとまらない。もはや内実ともに、プリンセスどころか女帝といった方がしっくりくる安定感。ママタレ界、ひいては芸能界の女帝となる日も近いかもしれない。

冨士海ネコ

2021年9月30日掲載

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