蛭子さんを失った「太川陽介」がテレ東「旅番組」で復権 田中要次・羽田圭介との違い

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

 9月29日、「ローカル路線バス乗り継ぎ対決旅 路線バスで鬼ごっこ」(テレビ東京)の第3弾が放送される。出演するのは、もちろん“旅番組の帝王”太川陽介(62)だ。相方の蛭子能収(73)は卒業してしまったが、こちらは健在。テレ東で太川の“旅”特番が放送されるのは、今年だけでも11本目(再編集含む)! いまやテレ東になくてはならない存在として復活したが、その一方で霞む人たちも……。

 ***

 太川とテレ東の旅番組といえば、何といっても蛭子との珍コンビが人気となった「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」だろう。民放プロデューサーが言う。

「地方の路線バスを乗り継いで、決められた期限内に旅の目的地に到着するというドキュメンタリー性も持たせた旅番組で、台本なし、仕込みなしがウリでした。太川の一生懸命さ、負けん気の強さに対し、蛭子のいい加減さ、奔放さの組み合わせが絶妙な味わいとなっていました。旅番組であるにもかかわらず、ホンワカした旅情などはほとんどなく、ガチで結果にこだわる、予定調和でない番組作りが人気となり、劇場版まで作られた」

 放送枠は“土曜スペシャル”で、激戦区にもかかわらず、視聴率はたびたび10%超えを記録した。07年10月20日から17年1月2日まで全25回が放送されたが、体力的に辛いと言い出した蛭子さんが引退を表明、番組は終了した、かに思われた。

「17年3月からは『ローカル路線バス乗り継ぎの旅Z』と名を変え、俳優の田中要次(58)と芥川賞作家の羽田圭介(35)のコンビに引き継がれました。このコンビで放送されたのは17年に4回、18年は3回、19年は4回、昨年は4回と、1シーズンにほぼ1回のペースで放送されてきました。ところが、今年はまだ2回。そのうち1回は過去の旅を振り返るものでしたから、実質的に今年旅に出たのは1回だけなんです」

太川復活

 やはり、太川・蛭子コンビに比べると、田中・羽田コンビはインパクトに欠けるのだろうか。

「太川・蛭子コンビと比較されるのは辛いところでしょうが、彼らはイメージがちょっと暗く、どこか旅を楽しんでいない感じがしてしまうんです。コンビネーションも上手くいっておらず、正直言って視聴者が楽しめるキャラでもない気がします。そして、太川さんの復活が影響していることもあるかもしれません」

 いったんは引退した蛭子だったが、18年9月から土曜スペシャル枠で「太川・蛭子のローカル鉄道寄り道旅」という不定期の特番として復活。特番は3回で終わったものの、19年4月からは新番組「太川蛭子の旅バラ」としてレギュラー化した。

「ようやくレギュラー化されましたが、結局この年の年末で、再び蛭子さんが引退し、番組は終了しました。この放送枠の後継が『水バラ』(水曜18:25~)という単発特番で、太川さんはこの枠で復活していったのです」

 20年1月29日に放送されたのが「ローカル路線バスVSローカル鉄道 乗り継ぎ対決旅 秩父~日光」で、太川をリーダーとしたバスチームと“鬼軍曹”村井美樹(41)をリーダーとする鉄道チームが、チェックポイントを経由して1泊2日でゴールへの先着を競うという企画だった。

次ページ:再認識される太川のタレント力

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。