新番組「THE TIME,」を占う エース・安住アナ投入でも長期戦を覚悟すべき理由

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

 TBSが総力を挙げて取り組む朝の新情報番組「THE TIME,」(平日午前5時20分~同8時)が10月1日に始まる。総合司会は安住紳一郎アナ(48)で金曜日の司会は香川照之(55)。強力だ。もっとも、司会が良くても番組が当たるとは限らない。番組の行方を占う(視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区)。

 同時間帯で現在放送中の「あさチャン!」の視聴率は4位だった。ただし、5位のテレビ東京が放送している「ものスタ」と「おはスタ」はそれぞれ生活情報番組と子供向けバラエティーだから、これを除外すると、実質的には最下位。TBSは手を拱いているわけにはいかなかった。

 朝の情報番組は駅伝の第1走者のような存在であり、午前帯全体の視聴率を左右する。事実、平日午前8時からの「ラヴィット!」の視聴率は低く、世帯は2~3%台で個人全体も1%台。同10時25分からの「ひるおび!」の午前の部も視聴率が伸び悩んでいる。

 そこで大逆転を狙い、「THE TIME,」に絶対的エースである安住アナと売れっ子の香川を投入する。前代未聞の豪華布陣で、他局も驚いたほどだった。

 だが、司会やMCに大物を起用しても成功するとは限らないのが、ニュースや情報番組の難しいところ。朝の情報番組は特にそうだ。

 なぜかというと、第1に視聴習慣の影響を強く受けるから。プライムタイム(午後7時から同11時)の場合、番組欄を確認してから観る番組を決める視聴者が大半だが、朝の情報番組は違う。毎朝観る番組がほぼ決まっている。これを変えさせるのが難しい。

視聴率から分かる各局のパワーバランス

 視聴習慣を確かめるため、9月21(火)と同22日(水)の視聴率を見比べてみたい。現在の各局のパワーバランスも分かる。

■9月21日

*NHK「おはよう日本」(午前7時~同45分の全国ネット部分)世帯10.6%、個人全体5.8%、

*日本テレビ「ZIP!」(午前5時50分~同8時)世帯7.3%、個人全体4.0%

*テレビ朝日「グッド!モーニング」午前7時台(午前7時~同8時)世帯7.8%、個人全体4.4%

*TBS「あさチャン!」第2部(午前7時~同8時)世帯3.9%、個人全体2.1%

*フジテレビ「めざましテレビ」第2部(午前6時10分~同8時)世帯8.5%、個人全体4.8%

■9月22日

*NHK「おはよう日本」世帯10.7%、個人全体5.9%

*日本テレビ「ZIP!」世帯6.8%、個人全体3.8%

*テレビ朝日「グッド!モーニング」世帯7.6%、個人全体4.3%

*TBS「あさチャン!」世帯4.2%、個人全体2.2%

*フジテレビ「めざましテレビ」世帯8.4%、個人全体4.7%

 21日と22日の視聴率はほとんど変わらない。ほかの日もそう。視聴率が日々大きく変動するプライムタイムとは事情が全く違う。朝の情報番組は使い慣れた醤油のようなもので、なかなか変えられないのだ。

「THE TIME,」の場合、開始当初は安住アナと香川の司会ぶりを一目見てみたくてチャンネルを合わせる視聴者も多いだろう。いわゆる“ご祝儀”である。だが、それを定着させるのは簡単ではない。

次ページ:残された課題

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。