北朝鮮のミサイル連発は「5カ年計画」の序章か 専門家は「非核化について万策尽きた」

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 9月9日に軍事パレードを強行したかと思えば、11日、12日に新型の長距離巡航ミサイルを試験発射。さらに15日には弾道ミサイルを2発発射と、国際社会への挑発を繰り返している北朝鮮。

 14日には東京で日米韓の高官協議が行われたものの、何ら打開策は打ち出せず、北に対する無策を露呈した格好となった。

 国際部記者によれば、

「目下の北朝鮮は、国連安全保障理事会による経済制裁、自然災害、新型コロナウイルス対策による国境封鎖、と『三重苦』ともいえる状況。ところが、食糧支援や医療支援などのニンジンをぶら下げても北朝鮮側が満足せず、日米韓は頭を抱えているんです」

 では、軍事パレードやミサイル実験を乱発する北朝鮮の要求は何なのか。

 コリア・レポートの辺真一編集長は、

「本丸である国連安保理の経済制裁を解除させたいんですよ。食糧・医療支援や、コロナ対策で封鎖した中朝国境の開放などは“カンフル剤”に過ぎない。一方、制裁で禁止された石炭の輸出などを認めさせれば、年間10億ドルもの外貨を獲得することができますからね」

 北朝鮮の身勝手な思惑は、それだけにとどまらない。

「最終的にはアメリカに核保有国として認めさせ、平和条約を結ばせるという要求を突き付けてきても不思議ではない」(同)

 一体全体、そんなことが可能なのか。読み解くカギは今年1月の党大会で設定された「兵器開発の5カ年計画」にあるという。

「北は5カ年計画によって、これまで注目されてきた大陸間弾道ミサイルなどの戦略兵器だけでなく、さまざまなケースに対応できる兵器の開発にも力を入れている。今回の巡航ミサイルの試射や列車からの弾道ミサイル発射は、この計画が順調に進んでいることを内外にアピールするためのものと言ってよいでしょう」(同)

 北朝鮮の兵器開発は想像よりはるかに進んでいる可能性があるといい、龍谷大学の李相哲教授も、

「金正恩総書記は現在、国民の生活や経済などあらゆるものを犠牲にして多様な軍事開発を進めています。開発はスケジュールを前倒しして進められている可能性もあり、すでに北朝鮮の非核化については万策が尽きたという印象もある。もはやアメリカによる“実力行使”しか選択肢は残されていないかもしれません」

 一刻の猶予も許されまい。

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