吉田羊が語る「シェイクスピア劇への挑戦」 キャストは女性だけ、違和感を覚えた「俺」という一人称
舞台芸術の世界で“難物”と呼ばれるシェイクスピア作品。10月10日に初日を迎える「ジュリアス・シーザー」は、出演者が全員女性という異色の取り組みで、主人公のブルータス役を演じるのは吉田羊だ。
「シェイクスピア劇には苦手意識があって、いままで敬遠してきたんです」
と、吉田は言う。
「言葉が難解なので、台詞を聞き逃して物語から置いていかれることもしばしば。しかも、共演者の胆力や鍛錬された姿に圧倒されることが多かったんです。そのせいか、演じる側にいるにもかかわらず、どこか私には他人事のように“凄いものを見た”という感覚しかなかったんですね」
共演者の情熱を感じながらも、それを楽しめずにいたという。
「だからシェイクスピア作品には“自分とは無関係なもの”みたいな感覚があり、積極的に向き合おうとしてこなかった。でも、今年は舞台デビューから25年という節目を迎えます。しかも、これまで舞台女優として憧れてきたパルコ劇場での主演。ここで厳しい環境に挑戦すれば、新しい自分に出会えると考えました」
2012年には、演出家の蜷川幸雄(故人)による、すべて男性キャストのシェイクスピア・シリーズがあった。が、オール女性キャストは今回が初めてとなる。
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