税制大改革で何が変わる? 知っておくべき「相続税」「贈与税」対策

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件数の差は歴然

 続いては「結婚・子育て資金の一括贈与」である。深代理事長が続けて、

「20歳以上50歳未満の子や孫に対し、1千万円まで結婚・子育て資金を非課税で贈ることができる制度です。これで不妊治療費からベビーシッター代まで賄うことができます」

 こちらは贈与者が亡くなった時点で残金が相続財産に加算される仕組みだが、先の「教育」と同じく、当初の適用期限である今年3月末から2年間延長となっている。

 ちなみに「教育」は13年度、「結婚・子育て」は15年度に特例制度が始まり、これを受けて信託商品が生まれている。一般社団法人信託協会の統計によれば、「教育資金贈与信託」は21年3月末で受託件数が累計24万件超と、その人気のほどがうかがえる。が、その一方で「結婚・子育て支援信託」は、節税効果が望めないためか7210件と少なく、先々の廃止も検討されているという。

 そして、特例の三つ目が「住宅取得等資金の贈与特例」である。

「受贈者の所得が年間2千万円以下で、贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅を取得して入居すること、そして家屋の登記簿上の延床面積が240平方メートル以下50平方メートル以上で、2分の1以上が居住に供されるという条件をクリアすれば、住宅資金の贈与が最大1500万円まで非課税となります。さらに4月からは、贈られる人の所得が1千万円以下の場合、家屋の床面積が40平方メートル以上であれば認められることになりました」(同)

 利用者にとっては一見、間口が広がったかに映る。それでも、残念ながらこの特例の期限は今年末まで。その後、やはり廃止される可能性もあるのだ。

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