「犯罪死の見逃し」要因か “99%”の遺体で死因究明に必要な「解剖」が行われない理由

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死因究明の「地域格差」

 異状死体数3183体。司法解剖37体、調査法解剖2体、その他の解剖0体。解剖率1.2%。実に異状死体の99%が未解剖――これは2019年度の広島県におけるデータである。

 高齢化が進む日本では、病院以外で死ぬ「異状死」の数が増加している。2020年を例にとると、その数は17万人にも上るが、その正確な死因が分析されているかというと、そうではない。死因の特定は重要犯罪の見逃しを防いだり、未知の疫病を察知したりと、重要な要素を果たす。だが、冒頭の解剖率を例にとると、東京でも17.2%。...

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