自民党総裁選10番勝負 最も激しい戦いだったのは田中VS福田VS大平VS三木

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【8番勝負】 小泉純一郎×橋本龍太郎×麻生太郎×亀井静香(2001年4月)

 小渕が首相在任中に急死した後は、森喜朗が幹部の話し合いで選ばれたが、密室政治という批判を浴びたので、森が退陣した後の2001年4月の総裁選挙は、1982年以来、久しぶりに予備選挙が行われた。また、予備選挙で決まる地方組織の票が従来の三倍の重みを持つことになった。

 立候補したのは、議員票では一位となることが予想された橋本龍太郎元首相のほか、小泉純一郎、麻生太郎、亀井静香だったが、応援団に加わった田中真紀子とともに街頭演説で全国を行脚した小泉純一郎が大ブームを引き起こした。ほとんどの県で勝利したので、議員票も地滑り的に小泉に流れ、298票を獲得して155票の橋本を圧倒して新総裁に選ばれた。

 小泉の後継は、麻生太郎、谷垣禎一、福田康夫、安倍晋三が候補とされ「麻垣康三」といわれていたが、福田は立候補せず、北朝鮮による拉致問題へのとり組みで人気が出ていた安倍が人気を集め圧倒的な支持を得た。その後、福田康夫、麻生太郎が総裁となったときには、いずれも、任期途中ということで予備選は行われなかった。

 この間、民主党政権が誕生し、2009年9月の総裁選挙は、野党党首の選挙ということで低調なまま推移し、谷垣禎一が河野太郎、西村康稔を破って総裁となったが、結局首相にはなれないまま任期満了を迎えた。

【9番勝負】 石破茂×安倍晋三×石原伸晃×町村信孝×林芳正(2012年9月)

 2012年9月の総裁選挙は、民主党政権の任期が低迷する中、政権奪還をめざす総選挙の顔は誰かが相応しいかという熱の籠もったものとなった。当初は派閥領袖の支持多かった石原伸晃が有力とみられたが、地方組織行脚を繰り返し地方組織での人気が高かった石破茂が、対抗馬として名乗りを上げた。

 安倍晋三元首相の周囲では、再出馬は時期尚早との声が強かったが、退陣の理由となった病気が治癒し、気力も充実した安倍はあえて出馬に踏み切り、そのころ普及が拡がっていたSNSを駆使して支持者を拡げた。

 このほか、町村信孝、林芳正も立候補したが、一般党員投票では、石破が199票で首位に立ち、安倍141票、石原96票、町村34票、林27票となった。議員票のみで行われた石破と安倍の決選投票では、世代交代を嫌った長老にとって拒否感が相対的に少ない安倍が108票で89票の石破を破った。

 首相となった安倍は、外交での華々しい成果とアベノミクスが一定の成功を収めたことから六度の国政選挙に圧勝、再選は無競争となり、三選目は一般党員投票でも初当選時に負けた石破茂を寄せ付けなかった。

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