【総裁選】1位河野、2位岸田、3位高市、決選投票で岸田勝利シナリオの背景で語られていること
繰り返されたメディア批判
何が無責任なのかと言うと、河野氏は続けて、
〈前提も分からない中で何がいつごろできるんですか? ということを申し上げるのは何か淡い期待のようなもの。で、それができなかったらどうする。どういう状況になるのかも分からない。変異がどういうふうになるか分からない中で、やっぱり科学的なデータをきちんと集めて、お示しをして、それを政府としてどう解釈するのか。だから、こういう政策に協力をして欲しいと申し上げるのが筋だと思うんです〉と述べた。
さらに、
〈そういう前提のデータも何もなくて、じゃあどうしますか? というのは……。それは簡単ですよね、こうしたいです、ああしたいです、と。それが責任のある政治だとは私にはとても思いませんし、責任のあるメディアがこういう報道の仕方をするのは、私は少しおかしいのではないか? やっぱり、みんなで科学的データをきちんとそろえてそれをどういうふうに解釈するのかというところが議論するのだったらそれを議論すればいい(略)〉
と、メディア批判に終始したのだった。実は、この質問の前に、自身の訴えとして、河野氏はこう述べていた。
〈本当はこういうことをやれたら良いよね、だけどそんな簡単なものじゃない、とか、そんなもんじゃないだろう、と言って挑戦してこなかったものっていうのが多分いっぱいあると思います。例えば行政に出す書類からハンコをやめよう(と言っても)、いやいやそういうものじゃないだろうとか言われたけども、やってみたら99%ハンコいらなくなりました。ワクチン一日100万回接種(と言っても)、いやいやそんな簡単なものじゃないだろう(と言われましたが)やってみたら一日160万回できました〉
友達がいない河野氏
先のデスクが解説する。
「要するに河野さんは、一見、実現不可能と思われるものでも諦めずにやってみたら意外とできた、そしてそれは全部自分が関わったことで、自分には突破力があると言っているわけですね。仮にそうだとして、そこには、いつまでにどうするかというある程度の目標があったはずです。ワクチンの回数については菅首相がいきなりぶち上げたわけですしね。それなのに、次の質問では目標すら出すことを拒否し、科学的根拠とかデータがないと話ができない、メディアが悪いと主張している。もうずいぶんとデータは集まっているはずですし、もしそうでないならワクチンを所管する河野さん自身が無能だということになりかねないですよね」
一事が万事と言うわけではないだろうが、“河野さんには総裁・首相になって欲しくない”という官僚たちが口にするのはこのあたりが関係しているのだろうか。
「河野さんは霞ヶ関と同様か、それ以上に永田町で友達がいないですね。古いしきたりが残っているところですから出る杭は打たれるところは仕方ないですが、彼は愛想がなく瞬間湯沸かし器タイプで、割とケンカを売ってしまうんですよね。派閥ボスの麻生さん(太郎財務相)は、そういうところも面白いと買っているんですが、なかなか多くに理解されなくて……。英語は堪能でジョークのセンスもあるのにもったいないことをしています」(自民党の閣僚経験者)
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