おかえりモネ ミーちゃん演じる「蒔田彩珠」は朝ドラ・ヒロインで凱旋するか
10月29日の最終回まで1ヵ月余となったNHK連続テレビ小説「おかえりモネ」(月~土曜午前8時)。ヒロインのモネこと永浦百音役の清原果耶(19)が好演する一方、一気に名を高めたのは妹のミーちゃんこと未知役の蒔田彩珠(19)に違いない。助演者が後にヒロインに起用される最近の朝ドラの傾向を考えると、次はヒロイン役で凱旋するのではないか。
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ここ5年の朝ドラを見てみると、助演で評価を得た女優がヒロインで凱旋するケースが目立つ。制作側としてはその女優の力量を把握しているから、起用しやすいのだろう。
NHKに限らず、ドラマのプロデューサーは主演級には過去に仕事をした役者を使うことが多い。力量も人柄も分かっていて安心できるからだ。
以下、朝ドラの助演者がヒロインに昇格した例である(過去5年間)。
■「まれ」(2015年度前期)土屋太鳳(26)=「おひさま」(2011年度前期)、「花子とアン」(2014年度前期)に出演
■「とと姉ちゃん」(2016年度前期)高畑充希(29)=「ごちそうさん」(2013年度後期)に出演
■「べっぴんさん」(2016年度後期)芳根京子(24)=「花子とアン」(2014年度前期)に出演
■「ひよっこ」(2017年度前期)有村架純(28)=「あまちゃん」(2013年度後前期)に出演
■「まんぷく」(2018年度後期)安藤サクラ(35)=「おひさま」(2011年度前期)に出演
■「スカーレット」(2019年度後期)戸田恵梨香(33)=「オードリー」(2000年度後期)に出演
■「おちょやん」(2020年度後期)杉咲花(23)=「とと姉ちゃん」(2016年度前期)
■「おかえりモネ」(2021年度前期)清原果耶(19)=「あさが来た」(2015年後期)、「なつぞら」(2019年度前期)
蒔田も「おかえりモネ」のミーちゃん役が高い評価を得ていることから、ヒロインの有力候補の仲間入りを果たしたと見ていいのではないか。蒔田は「とと姉ちゃん」にも高畑充希の姪役で出ていた。朝ドラ経験は十分なのだ。
モネと和解
9月23日放送の第94話で蒔田はモネと和解するミーちゃんを演じた。この姉妹は仲が悪いわけではないものの、東日本大震災以来、関係にうっすらと亀裂が生じていた。
モネは震災の直接的被害を免れたのに対し、ミーちゃんは津波を見た上、その後も苦難の1週間を過ごしたからだ。
「また普通に戻れるよ」(第20話のモネ)
「戻れるとか、よく簡単に言えるね。お姉ちゃん、津波見てないもんね」(同・ミーちゃん)
そう言われるのが辛いこともあってモネは島を出た。だが、それから8年半が過ぎ、島に戻って気象予報士として役に立とうと決意する。
島を離れてからは5年半が経っていた2019年9月、モネは帰郷の意志をミーちゃんに伝えた。
「私、戻ってきてもいいかな」(第94話のモネ)
「こっちって、気仙沼? 島に帰ってくんの。だって仕事どうすんの」(同・ミーちゃん)
率直に胸の内を吐露したモネに対し、戸惑いながら応じたミーちゃん。なぜ、戸惑ったのかというと、モネが島を出て行ったのは自分が責めたせいでもあると分かっているからだ。
一方、モネがミーちゃんにわざわざ帰郷の承諾を得ようとしたのは自分が島から逃げたと思っていたため。姉妹はお互いに自分に非があると感じていた。
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