人は耳からボケる? 「難聴」「耳鳴り」を治す骨格矯正法
最初に、(1)-a耳をつまんで横に引っ張ります。続いて、(1)-b耳を下に引っ張ります。このとき、ひじを下げ気味にします。それからひじを再び開いて、耳を回してください。
こうすることで、耳につながっている表情筋がほぐれ、頭蓋骨がゆがむ元凶と考えられる、筋肉の緊張が緩和され、矯正しやすくなるのです。
さて、いよいよ矯正の本番に入ります。側頭骨をゆるめることから始めたいと思います。(2)こめかみの上に手根(手のひら)を置いたら、一定の力を入れ、10秒ほどかけて、ゆっくりと押し上げてください。指は伸ばしたほうが力が入ります。深呼吸をして、息を吐きながら押し上げるといいです。以下に紹介するエクササイズもふくめ、一度につき3回行うことを目安にしてください。
次に、後頭骨の一番下両すみの乳様突起をゆるめていきます。(3)-a左右の親指をそれぞれ、首の上にある乳様突起の上に当ててください。実は、乳様突起の位置は左右差があって、左側のほうがやや下方にあるという人がほとんどです。
(3)-b親指を当てたまま、息を吐きながら、グーッと押し上げてください。多くの人は頭がい骨が、左右別々の度合いで下がっていますが、こうして押し上げることで、左右の位置も揃ってきます。
今度は、顎関節周辺の筋肉(咬合筋)をゆるめていきましょう。
(4)-a耳珠(穴の前のでっぱり)の前に人差し指を当ててください。(4)-bその状態で口を開けると、指を当てたあたりに、少しへこみができると思います。そのへこんだ場所が、あごの筋肉の起点に当たります。人差し指でその位置を押さえて、10回ほど、しっかりと上下させてください。
その際に指は、少し耳珠にかかる感じがポイントです。これで、あごの筋肉がゆるみます。
さて、筋肉をゆるめたら、いよいよ今回のエクササイズの本丸、耳穴の矯正に入ります。
(5)-a耳の穴に親指を突っ込みます。その際、指先を頭蓋骨に垂直に立てて、骨にしっかりと当たるくらい、できるだけ奥まで入れるように心がけてください。そうしたら、耳に入れた親指を、(5)-bグーッと押し上げたり、前方に押し出したりしてください。押し上げて3セット、前に押し出して3セット、それぞれ行ってください。
すでに述べたように、耳の機能低下の多くは、頭蓋骨がずれて、耳の穴が圧迫されることで引き起こされています。このエクササイズによって耳穴が広がると、圧迫されていた鼓膜や蝸牛がストレスから解放されるため、低下していた機能が改善されるのです。
最後に、蝶形骨そのものを矯正します。
(6)-a両方の手根をこめかみに当てて、しっかりとはさみます。その際、手根が目の骨にひっかかる感じを意識してください。そうしたら、(6)-b目の骨を前方に押す感じで、力を入れて、呼吸に合わせて押し出します。やはり3セット行ってください。
これによって、目の奥に位置する蝶形骨がくぼんでいたのが、リセットされてもとに戻ります。
以上、紹介した五つの矯正、ウオーミングアップを加えると六つのプロセスをしっかり行えば、圧迫されていた耳の機能がストレスから解放されます。結果として、耳がラクになり、聴力が戻って、頭もスッキリと軽くなるのを実感されることでしょう。
耳だけではありません。目も同様にラクになり、目の疲れやにごった視界が改善されるはずです。
毎日行うのが理想ですが、難しいようであれば、週1回のペースで実践するだけでも、かなりの効果が期待できるはずです。
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