「失言」より「実態」を見るべき 「女性活躍推進」で考えたいこと(古市憲寿)
舌禍事件が相次いでいる。あまりにも炎上が多すぎて、森喜朗元総理の「わきまえない女」騒動など、もはや遠い昔の出来事のようだ。
作家の佐藤愛子さんが『九十八歳。戦いやまず日は暮れず』(小学館)で、他人が「思った」ことを安易に糾弾することの怖さを説いていた。1941年の真珠湾攻撃を「騙し討ちやないのん」と疑問を抱いた19歳の佐藤さん。電車の中でその話をすると、友人に止められた。「叱られるよ。憲兵に引っぱられるよ」と。
98歳の佐藤さんは、時代と共に正義が変わることを知っている。...