選択的夫婦別姓を自民党総裁候補はどう考えているか 地方議会の「意見書」に世論調査の改ざんデータが発覚

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河野氏は「党議拘束」を外してまでも選択的夫婦別姓導入に突き進むのか

 ところで、自民党の総裁選に出馬する3人の候補はこの問題をどう考えているのか。まずは、河野太郎氏だが、今年2021(令和3)年3月、参院予算委員会では選択的夫婦別姓に関して、賛成の立場でこう述べている。「このような社会的な課題は政府が白黒のポジションを取る必要はない。人格や価値観を尊重する議論ができるならば、党議拘束をかけずに決めることがあって良い」。総裁選告示前日の16日には、報道各社とのグループインタビューで改めて賛成を表明した。

 それにしても9月10日の出馬会見で「日本の一番の礎になっているのは長い伝統と文化に裏付けられた皇室と日本語」と語ったのには驚いた。つい先日まで、女系天皇を容認していたはずだが、河野氏はそれとの矛盾を少しも感じていないようだ。原発問題もそうだが、いきなり北朝鮮による拉致被害者救済の意思を示すブルーリボンバッジを付けて記者会見に臨んだのもわざとらしい。

 憲法改正や皇位継承問題を含め新聞は「持論を封印した」と書いたが、封印の意味について、デジタル大辞泉には「(比喩的に)人目につかないように隠すこと」ともある。河野氏が首相になったら、原発問題などの封印を解く前段として、まずは自民党内にも賛成派がいる選択的夫婦別姓の法制化を“改革断行”の名の下に進めることも考えられる。

 ちなみに、迷走した挙げ句に出馬を断念して河野支持に回った石破茂氏は、菅義偉氏と争った昨年の総裁選出馬での記者会見で「夫婦別姓は基本的に実現すべきもだと考えている」と立場を明確にしている。

導入に慎重になった岸田氏だが、なぜか今も「早期に実現する議員連盟」に

 いち早く出馬宣言をした岸田氏はどうか。同氏は今年3月に設立された「選択的夫婦別氏制度を早期に実現する議員連盟(会長・浜田靖一衆院議員)」の発起人に名を連ねた。しかし、8月26日の出馬会見では記者の質問に「現状は夫婦の間はともかくとして、たとえば子どもたちが数人いた場合、子どもたちの姓はみんな一緒なのか、バラバラなのか、誰が選ぶのか、いつ選ぶのか。このあたりは、より現実的に考えていかないとならないのではないか。その点、私はちょっとまだ整理ができていない」などと述べた。さらに意外にも「この問題は社会全体で受け入れなければいけない課題ですから、これは賛成だ反対だと政治家が一人よがりに決められるものではない」とも付け加えた。これが真意であるのなら、さっさと議連を脱退すべきではないか。

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