本当に怖いのは、河野ではなく岸田…霞が関官僚が本音で語った「総裁候補3人」の評判
岸田評
では、「聞く力」を前面に出している岸田はどうか。
官僚Cいわく「岸田さんはレクの時、眠そうにしてるんだよね。ちゃんと聞いているのか不安になる。そのくせ突如、『その答弁じゃ、国会乗り切れないだろ』とか言う。激怒はしないけど静かにキレてる感じがする。本当に怖い親分って、こんな感じなのかね」
穏やかさを売りにしているように見えるが、実は強面の一面もあるようだ。岸田の選挙区は広島。映画「仁義なき戦い」を思い起こす。
高市評
総務大臣だった高市は、経済財政諮問会議での発言が長いことで有名だった。高市とも関わりのあった前述のCはこうボヤいていた。
「諮問会議は忙しい人が時間をやりくりして出ているのに、高市さんは『私は私は』と、テーマに関係ない話を延々とするんだよね…」
高市の後見人は森喜朗元総理。森は、女性の出席する会議は長いという舌禍事件を起こしてオリパラ組織委員会会長辞任に追い込まれた。まさか、愛弟子・高市のことが頭にあったのか。
なお、官僚による高市への評価自体が少なかった。このことから、霞が関では「高市総理」を想定していないことが読み取れる。
岸田・河野の共通点
ところで、官僚Dは岸田と河野のこのような共通点を挙げている。
「どちらが総理になっても、菅さんみたいに役所の人事を牛耳ることはないと思う。岸田さんは役所の言いなりだし、河野さんは自分が目立つことに熱心で役所の人事なんか興味ない」
菅は荒っぽい人事をやって役所を震え上がらせ、霞が関を官邸の顔色ばかり窺うヒラメ官僚にしたという批判があった。人事を握る者が組織を制するのだが、どうも菅はやりすぎたようだ。人事にあまり興味がない岸田・河野は、霞が関にとって与しやすい相手のように映る。
先のB氏も言う。
「役所的には、岸田総理・河野官房長官なら最高だよ。まず河野さんがパーンッと発信して、岸田さんがきちんと誠実に説明する。官房長官は将来総理になれるポストだし。まあ、どっちの候補も想定外の政策をいきなり打ち出すようなことはしないから、その点ではやりやすいかもね」
国家の方針を決めるのは政治家であり、総理大臣だ。
一方、実働部隊である霞が関の声を聞くと国家や政府を実際に動かしていくという別の視点で、総裁選後の日本が見えてくる。
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