本当に怖いのは、河野ではなく岸田…霞が関官僚が本音で語った「総裁候補3人」の評判

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 ある官僚が、今回の自民党総裁選を前にこう語った。

――本当に怖い人は、岸田さんかもしれない。

「霞が関」と呼ばれる国家公務員は58万人もいて、彼らは市井の人々あるいは自民党議員と全く異なった目でこの戦いを見ている。

 武将が乱立し戦国時代になるかと思われた総裁選は結局、岸田・高市・河野による三つ巴の構図となった。イメージで言うと、河野、高市、岸田の順に「異端、豪胆、準備万端」言ったところか。高市出馬は無謀かと思われたが、安倍票と保守層を取り込みたちまち立候補。岸田は用意周到に政策を発表している。派閥内部でもどの陣営につくか駆け引きが繰り広げられ、特にまだ足軽レベルの若手議員たちは右往左往していると聞く。

 自民党の新総裁とはすなわち第100代の総理大臣。覇者陣営として勝どきをあげれば、組閣と言うポスト争いで大将や家老といった重職を担う可能性がある。

 この争いを一歩引いたところで、しかし心中穏やかでなく見ているのが官僚である。

 官僚は当然ながら、陣営を選ぶことは出来ない。新たなお館様が決まり、組閣を経た大臣・副大臣・政務官といった上役をただ受け入れるのみ。だからこそ、上役の「人柄」が目下の関心事なのだ。

 中でも高級官僚は大臣に部下として直接仕え、秘書官ともなれば出張先で寝食を共にすることもある。(さすがに部屋は別だと思いたいが…コネクティングルームであったとしても。)

 上役とは直接関わらない立場であっても、法案の説明などで日常的に国会議員と多く接する。議員からの評価は自分の人事にも直結する。官僚にとっては人事が人生のすべてと言ってもいい。ましてや総理の椅子の行方は、人事ばかりか法案立案作業にまで大きく影響する。

 そんな高級官僚たちは、今回の3候補をどう評価しているのか。

河野評

 直近でパワハラ問題が報じられた河野について、「あんなのパワハラじゃない」とした上で、官僚Aはこう続けた。「河野さんはやる気のないレクや、逃げているようなレクをすると激怒するんだよね」レクとは政治家に対して政策に関する説明=レクチャーをすること。つまり河野はそのレクをとても重視し、レクをする人物の姿勢そのものを見ていることが分かる。現にある役人が河野大臣の政策に真正面から反対したことがあり、周囲はヒヤヒヤしたものの、怒ることなくきちんと聞いていたという。当たり前のことだが、反対すればいつも頭ごなしに怒鳴るというわけではなさそうだ。

 一方で、河野が外務大臣だったころ、外務大臣専用機を持つべきだと主張したことがあった。中国の王毅外相に対抗してのことだったが、本音は得意な英語を使って海外を飛び回りたいのではとも陰口を叩かれていた。

 そんな河野に対して官僚Bは「河野さんが総理になったら外遊ばかり行くかも。外務省は大変だね」と同情する。「記者会見も自分では得意だと思っているみたいだけど、突然英語でしゃべったり、質問に対して『はい次』なんてスルーすると、支持率が下がるんじゃないか」

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