実はコロナで批判されている米国「CDC」の実態 小池都知事肝いり「日本版CDC」は成果ゼロ?

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少なくとも8年間の研修が必要

 コロナ禍で「感染症の専門家」がマスコミに登場する頻度が急増したが、日本では「感染症専門医が手薄だ」とかねてから指摘されていた。平時に感染症科や総合内科、呼吸器内科などで勤務する感染症専門医は、パンデミックの際には所属する病院だけでなく地域全体の感染対策を主導できるスペシャリストだ。

 日本感染症学会が認定する感染症専門医は現在約1600人。その2倍の要員が必要だと言われながらも、なかなか増えない状況が続いている。感染症専門医になるためには医師免許を取得してから少なくとも8年間の研修が必要なうえに、診療報酬の増加にあまり貢献しない感染症専門医は病院経営にとって望ましい存在ではなかったからだ。

 イメージ先行の「CDC」を慌てて組織するよりも、むしろ感染症専門医を早期に増員できる仕組みを構築することが、日本のパンデミック対策の最重要課題なのではないだろうか。

藤和彦
経済産業研究所コンサルティングフェロー。1960年名古屋生まれ、1984年通商産業省(現・経済産業省)入省、2003年から内閣官房に出向(内閣情報調査室内閣情報分析官)。

デイリー新潮取材班編集

2021年9月15日掲載

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