ネット民には人気「河野太郎」 旧知の政治解説者が語る「デジタル的感性」の長所と短所

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“アマチュア”の実力

 菅義偉首相(72)の不人気で、自民党の支持率は急落している。総選挙を前に、党内では2001年の総裁選で起きた“小泉旋風”の再来を期待する声もある。

「太郎さんは総理総裁を明確な目標としてきました。初当選は1996年。小泉純一郎さん(79)が『自民党をぶっ壊す』と宣言し、党員・党友の枠を超えて国民的人気を得た時の記憶も鮮明でしょう。“河野旋風”を起こすことが勝利への近道という意識は、あって当然だと思います」(同・篠原氏)

 追い風はある。河野大臣の公式Twitterはフォロワー数が240万人を超える(9月12日現在。以下同)。これは政治家としては非常に多い。

 比較してみると、例えば安倍晋三前首相(66)の約227万人も上回る。発信力の高さで知られる小池百合子都知事(69)でも約92万人に過ぎない。

「発信力と突破力は、永田町でもトップクラスでしょう。若い有権者に支持層が多いことも期待されています。政治に強い関心を持っていたり、実際に政治家を間近で見たりしているような“プロ”の有権者ではなく、無党派層を筆頭とする“アマチュア”の有権者に人気があるとも言えます。太郎さんも人気の源泉はよく分かっているでしょう」(同・篠原氏)

生体肝移植

 河野大臣は、いわゆる“永田町の色”に染まらないことで、有権者の支持を得てきたと言える。

 父親の洋平氏は、党きってのハト派として知られた。従軍慰安婦問題に関連し、自身が官房長官だった1993年に「河野談話」を発表した。少なくとも政治家としては穏やかな人柄というイメージがあった。

 これに対し、河野大臣は歯に衣着せない発言で知られる。改革志向ということもあり、攻撃的な政治姿勢というイメージを持つ有権者もいるだろう。だが篠原氏は、「太郎さんと洋平さんは、かなり似ています」と指摘する。

「確かに父親は闘志を表にせず、息子は闘志を前面に出すタイプではあります。しかし、自分の信念を曲げない一徹なところは、父子の根本的な共通点でしょう。そもそも2人は仲の良い親子として知られています。例えば2002年、洋平さんに生体肝移植が行われた際、太郎さんがドナーとなりました。肝移植にはリスクがあります。洋平さんは最初、子供からの提供には反対していました。ところが太郎さんは『自分が提供する』と強い意思を示したのです」(同・篠原氏)

 似たところもあれば、むろん、違うところもある。特に洋平氏の場合、政治家としては苦労の連続だった。

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