ネット民には人気「河野太郎」 旧知の政治解説者が語る「デジタル的感性」の長所と短所
河野太郎ワクチン担当相(58)は9月10日、自民党総裁選(17日告示・29日投開票)への出馬を表明した。
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産経新聞(電子版)は同日、「河野氏『脱原発』の持論封印 悲願成就へ現実路線」との記事を配信。YAHOO!ニュースのトピックスが転載した。政治担当記者が解説する。
「共同通信や、産経新聞とFNN(フジニュースネットワーク)が合同で行った世論調査で、河野さんは『次の総理にふさわしい』政治家としてトップに躍り出ました。有権者が注視しているのは間違いなく、総裁選の“台風の目”になると考えられています」
河野大臣は「脱原発」や「女系天皇容認」など、大胆な改革志向で知られてきた。今回の出馬会見でも、過去の発言を問う質問が多かった。
一方、これまで“人柄”や“性格”、“キャラクター”という観点の報道は少ないという特徴があるようだ。
「政治に関心のある有権者なら、総裁選に名乗りを挙げた高市早苗さん(60)は保守政治家とか、岸田文雄さん(64)なら宏池会なのでリベラルとか、何となくイメージが湧くと思います。ところが河野さんとなると、『どんな政治家だっけ?』という人は少なくありません。SNSでも『功績がない。あえて言うならハンコ?』と話題になったほどです(註1:末尾参照)」(同・記者)
小6で見せた「正義感」
政治解説者の篠原文也氏は、日本経済新聞社の政治部記者としてキャリアをスタートさせた。
河野大臣の父親で、外相、副総理、衆議院議長などを歴任した河野洋平氏(84)は、まさに“夜討ち・朝駆け”の対象。自宅の出入りを許されるなど信頼され、記者として長年にわたって洋平氏に接し続けてきた。
そんな経緯もあり、篠原氏は『文藝春秋オピニオン 2020年の論点100』(文藝春秋)で「ポスト安倍に急浮上 河野太郎『河野家三代の悲願』」の記事も執筆している。
篠原氏に、河野大臣の“人柄”について取材を依頼した。すると、太郎氏が小学校6年生だった時のエピソードから披露してくれた。
「『論点100』にも書きましたが、河野洋平さんに誘われて那須の牧場を訪ねました。夜、別荘でトランプゲームを楽しんだのですが、太郎さんが私のカードの出し方はおかしいと言いだしたんです。『篠原のおじちゃん』と呼ばれたので、『お兄ちゃんと呼べ』と言い返しました(笑)。そのやり取りを通じて、太郎くんの観察力、正義感、年上の記者にも臆することなく物を言う度胸の良さが、今も強い印象となって残っています」
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