小泉進次郎の支離滅裂な“涙の会見” 専門家は「底が浅い」「軽薄」と批判
政局の最中に男泣きで話題をさらったのは小泉進次郎環境相(40)。
だが、政治アナリスト・伊藤惇夫氏は手厳しい。
「小泉さんが涙を浮かべる姿を見て違和感を覚えた人も多かったのではないでしょうか。小泉さんには“俺は偉いんだぞ”とアピールする癖があります。今回の涙も“菅さんを下ろしたのは俺なんだぞ”と言いたかったのでしょう。そんな小泉さんの底の浅さ、軽薄さを有権者はとっくに見透かしていると思います」
政治部デスクが経緯を振り返る。
「8月31日の晩に、毎日新聞のネット版が〈首相、9月中旬解散意向〉という記事を配信し、党内は騒然となった。安倍前総理は“解散は絶対にダメだ。党内で反乱が起きる”と菅総理にクギを刺し、時を同じくして“明日の朝、解散報道を否定してください”と迫ったのが小泉氏でした。菅総理自身は解散を決意していたわけではないものの、報道が先んじたせいで“総裁選から逃げた”という印象だけが広まってしまった」
結果、解散という総理の伝家の宝刀は、完全に封じられたわけである。
そして、追い込まれた菅総理が切り札として頼ったのもまた小泉氏だった。
「菅総理に残された一手は、小泉氏を幹事長か官房長官に据えるシナリオでした。ところが、菅総理が人事を打診するために4日連続で小泉氏を官邸に呼んだものの、際立ったのはその空気の読めなさだけ。菅総理の思いとは裏腹に“総裁選には出ない方がいい。総理がボロボロになってしまう”と退陣を説き続けたのです」(同)
一向に自らへの支持を表明してくれない安倍氏、麻生氏に不信感を募らせ、頼みの小泉氏にも退陣を迫られたことで、ついに菅総理の心は折れてしまう。小泉氏が大粒の涙を流したのは、直後の会見でのことだ。
「その発言内容は支離滅裂。“こんなに仕事をした政権が正当な評価を受けていない”と憤りながら、菅総理に出馬の見送りを進言したという。菅政権を支持しているのか不支持なのか、どっちなんだと訊きたくもなります」(伊藤氏)
本当に泣きたいのは、小泉氏に振り回された菅総理の方であろう。
小泉氏本人の総裁選出馬を期待する声もあるが、
「それは絶対にないです」
と断言するのは、小泉純一郎元総理の実弟で、私設秘書として長らく地元で支え続けた小泉正也氏。
「進次郎は常々、“自分は無役でいい”と言っているわけですから。もし相談に来ても反対しますよ。“まだ10年早い”とね。同じ神奈川が地盤の河野さんが出馬するなら、応援するんじゃないですか」
確かに、総理に引導を渡しながら自分が総裁選に出馬すれば、もはやクーデターだ。伊藤氏が続ける。
「黙って最後まで政権を支えてこそ側近ではないでしょうか。“辞めろと助言しました”などとメディアの前で涙を流すのは、親分への裏切り行為と言われても仕方ありません」